【インドネシア】ラマダン終了までもう少し!ライラトルカドルとは!
ラマダン終了まであと1週間を残すだけとなりました。ラマダン最後の10日間はクライマックスとしてより信仰を深めます。特に最後の10日間の奇数日のどれかの夜が、ライラトルカドルと言われ、ムスリム達はこの夜を特に神への祈りと嘆願に特に適していると考えられています。
本日は、特別な夜「ライラトルカドル」についてお話します。
ライラトルカドルとは
ラマダンの終わりのイスラムで非常に重要な夜のことを「ライラトルカドル」(Lailat al Qadr)と言います。
ムハンマドに最初の啓示が下ったのは、西暦610年のラマダンのある夜(ラマダーンの最後の10日間の奇数日)だといわれています。この日には、1000の月、つまり83年以上の価値があるとされています。
ラマダン月の最後の10日間に含まれるどれかの奇数日の夜に当たると考えられていますが、毎年正確な日付ははっきりしていません。
ラマダン最後の10日間、毎夜「今夜はライラトルカドルかもしれない」と思いながら過ごします。
毎晩心の中の恨み、妬み、憎しみなどの感情を打ち払い、神聖な夜を受け入れるに十分な準備をするそうです。
今年の2021年はおそらく、5月9日(日)の可能性が高いと言われています。
イイティカーフとは
モスクの中に、一定期間泊まりこみをしながら、お祈りをして籠もることを「イイティカーフ」と言います。
世間から離れて、断食やアッラーへの1日5回の礼拝、クルアーンを読んだりして時間を費やす事により、普通の祈り以上の精神的な恩恵を受けます。特に夜の時間に深夜礼拝をすることには大きな価値があります。
イイティカーフの状態にある人は、眠っていても祈っているのと同じ状態にあると見なさるそうです。
ラマダン月20日目の日没前、イイティカーフの準備をしてモスクに入り、イイティカーフを始めます。ひとたびモスクに入ったら、正当な理由なしに中断した場合、その分を後でやり直さなければいけません。
イイティカーフ中は、通常の生活をすることは許されません。また、基本的にモスクの外に出ることができません。飲食や睡眠、着替えなど全てモスクの中で行ないます。
特にラマダン月の最後の10日間には、ライラトルカドルのチャンスがあるので、深夜礼拝は欠かさず行なうようにします。
女性の場合は、自分の家の一角をイイティカーフ専用の場所に定め、その中に籠もります。
男性がモスクに籠もる場合と同様、イイティカーフの最中は定められた理由なしにそこから出ることは許されません。食事も家族の誰かに作ってもらうことになります。
まとめ
まさに修行のようなラマダン最後の10日間ですが、1000の月の恩恵を目指して信仰する人々は、現代社会の欲に満たされた中でも、イスラムの教えを忠実に守る人々が多いことに驚きもあります。
宗教の事にほとんど無関心な人が多い日本人からすると、自分を含めなかなか簡単には受け入れることができない事実ですが、インドネシアに関わっている身として、イスラム教を少しでも理解する事も大事だと感じています。