インドネシアはコーヒー生産大国として年々生産量が増加しています。インドネシアで生産されているコーヒー豆の90%がロブスタ種であり、残りはアラビカ種と言われています。しかし、インドネシアのコーヒー農園の1%未満しか栽培されていない幻のコーヒー「リベリカ種」をご存知でしょうか?インドネシアでも希少性からほとんど日本では流通されない、リベリカ種のコーヒー豆についてお話したいと思います。
インドネシアは、2019年の生産量ランキングでは世界4位となっています
順位 | 国名 | 生産量(トン) | 世界構成比(%) |
1位 | ブラジル | 3,009,402 | 30.0 |
2位 | ベトナム | 1,683,971 | 16.8 |
3位 | コロンビア | 885,120 | 8.8 |
4位 | インドネシア | 760,963 | 7.6 |
5位 | エチオピア | 482,561 | 4.8 |
6位 | ホンジュラス | 476,345 | 4.7 |
コーヒー豆の種類としては、アラビカ種・ロブスタ種(ネカフォラ種)が有名ですが、もうひとつの種類はリベリカ種というものがあります。アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種はコーヒー豆三大原種となっています。
しかし、リベリカ種は日本ではほとんど知られていません。それもそのはず世界全体のコーヒー流通量の1%以下の生産量しかなく、ほとんどがヨーロッパで消費されてしまう幻のコーヒーとなっています。
1870年頃、世界中のコーヒーがアラビカ種しか存在しない時代に、西アフリカのリベリア共和国で新種の「リベリカ種」が発見されました。
当時オランダ統治時代であったインドネシアではコーヒーの病気である「さび病」が大流行しアラビカ種の壊滅的な被害がでていたので、オランダ人によって「さび病」に耐性があると言われていた「リベリカ種」を世界で最初に栽培しました。
その後、インドネシア各地でリベリカ種の栽培が広まっていき、同じインドネシア産アラビカ種である「マンデリン」や「スマトラ」などと並び高値で取引がされるようになりました。
しかし、新種の「さび病」が出現しリベリカ種はさび病に強いコーヒー種とはなりませんでした。その後そんなリベリカ種に変わって栽培されたのが「ロブスタ種(ネカフォラ種)」となりました。以降インドネシアで生産されるコーヒー豆の90%以上がロブスタ種となりました。
現在、インドネシアのリベリカ種のコーヒー豆は、リアウ州メランティ諸島、リアウ諸島、スマトラのジャンビ州などで細々と栽培されています。
リベリカ種のコーヒーは、海抜200m以下の低地や平地で栽培され、コーヒーの木の高さが10mまで育ちます。
バラココーヒーとも呼ばれ、「バラコ(Barako)」=強い、男らしい、たくましいと言った意味の通り苦味や香りが強いのが特徴です。アラビカ種よりも酸味が少なく、甘いココアの風味があります。
インドネシアの人たちは、リベリカ種のコーヒーは独特の甘みと果実感がジャックフルーツの後味に似ていることから「ジャックフルーツコーヒー」と呼んでいます。
リベリカ種はコーヒーの果実が成熟するのに時間がかかり、大木で収穫が大変で収穫量が少ないことや、豆の大きさにばらつきがあり焙煎が難しいこと等が影響して、流通量が少なく希少性が高い品種となってしまいました。
リベリカ種は世界で1%程度しか流通していない希少性から「幻のコーヒー」と呼ばれています。インドネシアでも生産量の1%未満となっているためなかなか手に入りません。
最近ではリベリカ種の生産国として有名なのがフィリピンとマレーシアです。マレーシアのリベリカ種はエレファントコーヒーというブランド名のもとで日本でも一部販売されています。
生産量が少ないのでなかなか飲める機会が少ないですが、1回はどこかで飲んでみたいですね。
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