バリからマカッサルへ!ラストフライトで戻る日常と安堵の一瞬
年始の旅を締めくくる最後の空の旅
ホーチミンからバリへの移動を終え、コンコルディアラウンジでひと息ついたあとは、いよいよインドネシア・マカッサルへの最終フライトが待っています。バタバタとした乗り継ぎの合間を経て、ライオンエアJT744便に搭乗。年始早々の旅を締めくくるこのフライトは、珍しく定刻通りに出発するとのこと。どんな空の旅になるのか、期待と少しの疲れが入り混じったまま、B737-900ERへ向かいます。ここから先は“ふるさと”のように落ち着くマカッサルに戻るだけですが、空には雨上がりの雲が立ち込めていて、夕陽が見られるのかは微妙なところ。ラストフライトが始まります。
久しぶりに定刻運航のライオンエア
雨上がりのバリを離陸する瞬間
ライオンエアといえば、遅延が多いというイメージを持つ人も少なくありません。しかし、今回搭乗するJT744便はめずらしくスケジュール通りに出発。機材はB737-900ERで、ほぼ満席の状態です。雨が降った後のバリの滑走路は少し湿っており、どんよりした雲が低く垂れ込めています。
雲間からの夕陽との出会い
キャビンに乗り込んでみると、思ったよりも乗客が多く、座席に収まるとすぐにシートベルト着用サインが点灯。天候がいまひとつということもあり、いつも以上に「今日は無事飛んでくれるかな」という気持ちになりますが、タキシングが始まると同時にエンジン音が高まり、スムーズに離陸体勢へ移行していきました。
一瞬だけ見えたオレンジ色の光
上空まで上がってもしばらくは雲の中を進むため、窓の外はグレーの世界が広がっています。夕方の時間帯とはいえ、どんよりした雲に隠されて夕陽は望み薄かと思ったのも束の間、高度をさらに稼いだ際に雲が途切れ、一瞬だけオレンジ色に染まる太陽が顔を出してくれました。わずか数秒ほどで再び雲の陰に隠れてしまいましたが、「雨上がりの空にもこんなチャンスがあるんだな」と幸運を感じます。離陸したばかりでまだ緊張感の残る機内が、少しだけ和むような光景でした。
マカッサル上空の夕刻と積乱雲
1時間半ほどのフライトとはいえ、季節や天候によっては揺れやすいのがインドネシア国内線。今回もマカッサル上空に近づくにつれ、積乱雲がもくもくと立ち込めるエリアに差しかかり、機体がゆらりゆらりと揺れ始めました。夕方のスコールがあったようで、地上はすっかり暗くなっています。シートベルト着用サインが再点灯し、キャビンアテンダントが迅速にカートを片付ける姿を見ると、「天気が荒れているのかな」とやや緊張。外は真っ暗で地上の灯りがちらほら見え始めますが、たまに稲光のようなものも遠くに見える気がして、ちょっとしたスリルを味わいます。
めずらしい北側からの着陸
夜景を見下ろしながらの安心感
いつもは南側からの進入が多いマカッサル空港(スルタン・ハサヌディン国際空港)ですが、今回は北側の滑走路から着陸するという珍しいアプローチです。夜景がやや遠回りに見える形となり、街の光がちらちらと瞬いてとてもきれい。パイロットの見事な操縦で無事にタッチダウンすると、外はすでに夜の空気。
スポットに向かう間、窓越しに見える滑走路のライトやターミナルの照明に「帰ってきた」という安堵が込み上げます。年始からのホーチミン訪問を思い返し、慌ただしくも充実した旅がここで一旦終了かと思うと、何だか名残惜しさもありますが、やはりホームの空気感にほっとするのも事実です。
星がのぞく夜空とGRABフードのアヤムゴレン
ターミナルを出ると、夜空には星が浮かんでおり、独特の湿度と懐かしい街の香りが迎えてくれます。タクシー乗り場までの道を歩きながら、「なんだかんだ言ってマカッサルは落ち着くなあ」と心が和みました。
さっそくタクシーや配車アプリで帰路に就こうとするものの、時計を見ると意外とお腹が空いていることに気づきます。ちょっと面倒なときにはGRABフードが頼みの綱。今回は定番のアヤムゴレン(フライドチキン)をサクッと注文。「辛いインドネシア料理、やっぱり最高だな」と一人ご満悦です。
今年最初の旅を終えて
ホーチミンからバリ経由でマカッサルへ戻るという年始早々の旅も、これで一区切り。バリでのトランジット4時間をラウンジで過ごし、ライオンエアのフライトも定刻通りで拍子抜けするほど快適。とはいえ、ラウンジでくつろぎすぎて危うく搭乗ギリギリになるなど、毎度のドタバタは相変わらずです。
それでも最終的にマカッサルの夜空の下に降り立ち、ほっとする自分に気づくと、「また旅に出たい」という思いと「やっぱりマカッサルが落ち着くなあ」という気持ちが入り混じります。こうしてインドネシアの日常に戻りながら、次の旅路へ思いを馳せる瞬間がたまらなく好きです。