マグロは日本人の食卓には欠かせない食材であり、その美味しさから世界中で愛されています。インドネシアのマナドでキハダマグロの解体工程を見学する機会を得ました。そこで目の当たりにしたマグロ解体の舞台裏とその流通過程を皆さまにご紹介したいと思います。
刺身が好きな人にとって、マグロはまさにスターフィッシュです。私自身、マカッサルで新鮮なマグロの刺身がなかなか食べられないので、美味しいマグロを見るとすぐにお寿司が食べたくなってしまいます。マナドは昔からキハダマグロ漁が盛んな街で、そこから鮮度を保ったマグロが日本へと空輸されています。
今回訪問したマグロ工場は、マグロの水揚げ地から30分ほどの位置にあり、新鮮なまま工場に運ばれます。工場はマナド空港の近くに立地し、そのため空輸するには最適な場所です。
工場には竣工してから働いているスタッフが多く、ベテランの職人によるマグロの解体作業は見事で、スピードと品質の高さが求められる厳しい環境下でもキビキビと動いています。マグロが工場に入荷すると、まず洗浄作業を丁寧に行います。
世界中で漁獲されるマグロの中でも、キハダマグロは肌の色が黄色に輝く美しい魚です。1本あたりの重量は約40~50Kgと大きく、その解体は職人技を必要とします。尾びれと頭を落としてドレスの状態にしたマグロは、背骨に沿って二つに分けられ、さらに三枚におろされます。これをフィレ(Fillet)と呼びます。
次にフィレを背肉・腹肉の二つに割り、これをロイン(Loin)と呼びます。四つ割りという意味で、マグロの身が四つに分けられた状態にします。ロインの背肉を雄節、腹肉を雌節と呼びます。
その後はトリミング作業となります。長い包丁で血肉などを外し、美しい赤身の状態にします。これを余分な水分を吸収するシートでマグロの身をくるんで、袋に入れ、箱詰めします。ちょうど熟成された最高の状態で日本に輸送されます。
今回この工場を訪れ、熟練の技が光る現場を見せてもらい、美味しいマグロを届けるために日々努力している姿を見て、深い感動を覚えました。マグロを手にするたび、その裏にある人々の努力と技術を思い出すでしょう。このマナドでの体験は、食卓の一品であるマグロへの敬意と感謝を深めるものでした。
食べ物の美味しさだけでなく、その生産や供給過程を知ることで、食に対する理解と感謝を深めることができました。
キハダマグロをめぐるマグロの旅も終わりマナド空港へ向かいたいと思います。