バリ・デンパサール空港での滑走路閉鎖などの影響などで、2時間30分遅れでマカッサルに向けて出発しました。夕方の時間に差し掛かり、すばらしい景色を眺めながらの飛行となりました。
18時に離陸したライオンエアですが、ちょうど夕陽が地平線に沈む前に出発となりました。機材繰りでの遅れと、原因不明の滑走路閉鎖による遅れが重なった結果、夕陽を眺めながらのフライトとなりました。滑走路を離れ、さきほどまでいたバリ島が小さくなっていきオレンジ色に染まったインド洋がとても輝いています。
多少雲があるのがアクセントとなって素晴らしい景色を演出しています。本来の飛行時間では夕陽が落ちる前にマカッサルに到着してしまいますので、このような景色を見ることができない昼間の時間帯を飛行するので絶景を楽したのはラッキーでした。
デンパサール空港から一旦西向きに高度を上げていましたが、南へ旋回しながらジンバランやウルワツと呼ばれているエリアがあるインド洋に突き出したバドゥン半島上空に差し掛かってきました。
半島からくびれた上部はデンパサール市内が良く見えるようになりました。
雲の奥には3,000mの神の山アグン山も見えてきました。だんだんアグン山に近づいてきて山頂付近を飛行していきます。噴火口のゴツゴツしたところも良く見ることができました。
高度が上がっていきアグン山がだんだん小さくなっていくと、いよいよバリ島ともお別れです。
飛行機は上空で日没した後に安定飛行の状態になりました。
太陽が沈んだ後の薄明かりの時間帯をマジックアワーと呼びます。
日没後の数十分間のみ体験できる薄明の時間帯を指す撮影用語で、太陽光線が日中より淡い赤色になり、なんとも言えない金色に空が輝いていきます。
空の色は刻々と代わり、次に訪れるのは空の色が濃い青色になるブルーアワーの時間になります。日没後の飛行はまるで魔法(マジック)のような時間帯で、幻想的な世界となります。飛行機の翼に金色の帯のように光り輝く姿はいつ見ても感動します。マジックアワーの空がなぜ美しくみえるのか調べてみると、色の波長が関係しているそうです。 朝と夕方は、光源となる太陽が昼間に比べて遠くなるため、長い波長を持つ赤い光が私たちの目に届くようになります。太陽との距離によって色は変化するのですが、空気中の水蒸気量が多いとさらに濃く鮮やかな色となります。雨の季節の晴れ間は湿った空気がより鮮やかな色を演出してくれることになります。そして、マジックアワーの時間帯は太陽が傾いて、ほとんど見えなくなり太陽と言う光源がなくなることで、さらに空の色だけがはっきり見えることになるので、美しさが倍増する形になります。雲が少ない特別な条件で飛行していないと見ることができないので、マジックアワーを十分に堪能することができて幸せな気分です。
マジックアワーを堪能した後は、真っ暗闇に突入します。マカッサルまでは残り飛行時間30分ほどで着陸するので、高度を少しずつ下げていきます。遠くに街のあかりがポツポツと見えてきたので、間もなく着陸体制に入ります。
機内の電気も消灯されマカッサル上空の夜景が見えてきました。
街の光が宝石のように輝いている様子がとても好きです。マカッサルは大きなビルが少なく平地に明かりが散らばっていて、光が無い場所は海か川が流れているか、湿地帯など広がっているなど人が住んでいるところ、住んでいない場所がはっきりわかります。光がだんだん大きくなってきたところで、マカッサル・スカルノハッタ空港に着陸しました。
バリを出発してちょうど1時間で到着でした。飛行機の出発が遅れたおかげで、マジックアワーの最高の時間帯の飛行を楽しむことができました。今回のバリ島訪問も終了となります。