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インドネシア・マカッサルで3年間生活してわかった驚きの事実トップ10

インドネシアに実際に住んでみると想像していた以上に奥が深い国です。約1万7千もの島から成り立ち、数え切れないほどの民族と言語が共存するこの国では、毎日のように新しい発見や驚きに出会います。私は3年間マカッサルで暮らしてきました。そのなかで感じた「日本とはここが違う!」というリアルなエピソードを「トップ10」のリストにまとめてみました。文化や習慣、宗教観から普段の食卓事情まで、インドネシアで生活をしてはじめて知った驚きの数々。これからインドネシアに来られる方、あるいは興味を持っている方にとって、少しでも役に立つ情報やワクワクするような視点をお届けできれば幸いです。

1. 挨拶は「ごはん食べた?」から始まる!

インドネシアでの日常会話を観察していると、多くの場合「こんにちは」や「元気?」よりも先に「ごはん食べた?」(インドネシア語で “Sudah makan?”)と尋ねられることに気づきます。これは単なる社交辞令ではなく、相手の健康状態や生活のリズムを気遣う一種の優しさの表現。もしまだ食べていないと答えると、「じゃあ何を食べるの?」と続き、さらに細かく食事内容の話題に発展することも珍しくありません。私が初めてこの挨拶を受けたときは驚きましたが、慣れてくると「インドネシアの人たちは本当にフレンドリーで面倒見がいいんだな」と感じるようになりました。中には、お腹を空かせていると知るやいなや「一緒に食べよう」と誘ってくれる人もいます。特に地方やコミュニティの結びつきが強い地域では、来客に対して何かしら食べ物や飲み物をふるまう習慣が根付いているため、外食のつもりがなくても「ごはん」攻撃(?)を受けることもよくあります。また、食事が単なる栄養補給の時間ではなく、「一緒にご飯を食べる=交流を深める」行為として捉えられているのも特徴的。こうした挨拶一つをとっても、インドネシアの温かい人間関係が垣間見えます。

2. 渋滞が日常の一部

マカッサルのような大都市では、「渋滞は生活の一部」と言っても過言ではありません。朝の通勤ラッシュだけでなく、平日昼間や休日でさえ主要幹線道路は混雑が続き、同じ市内であっても移動に数時間かかることが普通です。タクシーが捕まらないときや急いでいるときには、バイクタクシーの「Gojek」や「Grab」が重宝されます。これらのサービスを初めて利用した際には、車の間を縫うように走るため、まるでアトラクションのようなスリルを味わいました。特に雨季になると、突然のスコールにより道路が冠水し、さらに渋滞がひどくなります。都市部では排水が間に合わず、水位が数十センチにも及ぶことがあるため、小さなバイクがエンストしてしまう光景も日常茶飯事。こうなると移動時間は倍増し、約束に間に合うためには相当な余裕をもって家を出る必要が出てきます。しかし渋滞の中でも、人々はイライラしすぎず、むしろ車内で音楽を聴いたりSNSをチェックしたりと、意外と上手に時間を使っています。こうした「渋滞耐性」はインドネシアで生活する上で欠かせないスキルの一つかもしれません。

3. ごはんは主食、パンはおやつ?

インドネシアの人々にとって、“ごはん”(Nasi)は絶対的な主食。朝・昼・晩の食卓に必ずと言っていいほど登場します。日本も米文化ですが、インドネシアではさらに「どの料理にも合わせる」のが当たり前。例えばスープがメインの料理であっても、ごはんを山盛りにして食べますし、インスタントラーメンにまでごはんを添えるという光景には最初は驚きを禁じ得ませんでした。また、パンやパスタは「メインのおかず」とは見なされず、多くの場合は「軽食」「おやつ」という感覚。ショッピングモールのフードコートでパスタメニューを頼んだときも、「これだけでお腹いっぱいになるの?」と不思議そうな顔をされたことがあります。さらに、甘いパンが大人気で、チョコレートやチーズがトッピングされた菓子パンを朝食や休憩時間に楽しむのが一般的。甘党にはたまらないスイーツが街の至るところで手軽に買えるのは、嬉しい発見でした。食文化の多様性が広がりつつも、ごはん至上主義はインドネシアの根強い伝統と言えるでしょう。

4. お祭りで爆音の音楽とダンス

インドネシアは約1万7千以上の島々から成り立つ多民族国家であり、その地域ごとに固有の伝統や祭礼があります。たとえばジャワ島では、ガムランと呼ばれる打楽器中心の伝統音楽が圧巻で、独特のリズムに合わせて華やかな踊りが披露されます。バリ島では、オゴオゴ祭りのように巨大な鬼の人形を担いで街を練り歩き、夜になるとその人形を燃やすという迫力満点の儀式が行われることも。こうしたお祭りは、しばしば遅い時間や夜通しで行われることが多く、会場周辺では爆音の音楽が流れています。最初のうちは「これ、近所迷惑じゃないかな?」と心配になりましたが、地元の方々は「お祭りだから仕方ないよ」とおおらかに受け止めています。それどころか、皆で一緒に踊ったり合いの手を入れたりと、地域全体が一体となって盛り上がる様子がとても印象的でした。さらに興味深いのは、お祭りのときは露店がたくさん出て地元の名物料理が食べられること。ナシクニン(ウコンごはん)やサテ、バクソ(肉団子スープ)などがリーズナブルな価格で味わえるので、観光客にも人気があります。こうした祭りを通して、その土地ならではの文化と人々の暮らしの活気を感じられるのがインドネシアの魅力です。

5. コスパ抜群の生活費

インドネシアで生活を始めて驚いたのは、想像以上に安い生活費でした。特にローカルの小さな食堂「ワルン」を利用すれば、ナシゴレンやミーゴレンといった庶民的な料理を1食1万から2万ルピア(約100〜200円)ほどで楽しめることもあります。しかも味はおいしく、量も十分。フルーツや野菜を市場でまとめ買いすれば、自炊派にも嬉しい低コストが実現します。とはいえ、ショッピングモールなどで輸入食品を買ったり、日本食レストランに通ったりすると一気に支出は跳ね上がります。都市部にある高級スーパーでは、納豆1パックが400円相当、醤油が800円相当といった価格設定が珍しくありません。このように、ローカル寄りの生活と輸入品中心の生活との差が激しいのも特徴的です。また、住まいに関しても選択肢の幅が広く、コスと言われるシェアハウスなら月1〜2万円、アパートなら数万円から10万円以上まで幅広い価格帯があります。収入やライフスタイルに合わせて住まいを選べるため、上手にやりくりすれば日本よりもはるかに低コストで快適な暮らしを満喫できます。

6. ムスリム文化がもたらす調和の美学

インドネシアは世界最大のイスラム教徒人口を擁する国であり、街の至る所にモスクがあります。1日に5回行われる礼拝の呼びかけ(アザーン)は、慣れないうちは早朝の響きにびっくりすることもありますが、やがてそれが生活のリズムになってくるから不思議です。特にラマダン(断食月)の期間中は、日中に食べたり飲んだりすることを控えるムスリムが多いので、街全体がどこか静かな雰囲気に包まれます。しかしインドネシアには、キリスト教やヒンドゥー教、仏教など多様な宗教を信仰する人々が共存しており、それぞれが尊重される空気が流れています。例えば、バリ島はほとんどがヒンドゥー教徒であり、島内に無数の寺院(プラ)が点在する風景は圧巻。一方でイスラム教の祭日には、他宗教の人たちも友人や隣人にお祝いの言葉をかけるなど、互いの文化を尊重する姿勢が根付いています。こうした多様な宗教文化の中で育まれた「調和の美学」は、インドネシア独特のやさしさやおおらかさにつながっていると感じます。異なるバックグラウンドを持つ人同士が、互いの文化を認め合い、助け合う精神こそがインドネシア社会の大きな魅力の一つです。

7. バイクで家族全員が移動!

インドネシアの道を走るバイクは、まさに生活の足。街中を見渡すと、1台のバイクに大人2人と子ども2人、時には赤ちゃんまで抱えて走っている光景が珍しくありません。買い物袋をハンドルにかけ、背中にリュック、膝の上に子どもを乗せ、ときには頭に荷物を載せたまま運転している人までいます。安全面でハラハラする場面も多いのですが、彼らはこれが「当たり前の移動手段」として特に疑問もなく乗りこなしているからすごい。ヘルメットをかぶることが義務付けられているとはいえ、家族全員分のヘルメットを用意していないケースも多々あります。警察の取り締まりに遭うと罰金を取られますが、それでも「渋滞の車を避けて安く早く移動できる」というメリットには代えがたいのでしょう。また、バイクを駐車するときには縦横ぎっしりと並べるため、自分のバイクを停めた場所がわからなくなることもしばしば。お店や駐車場には専用の駐車係がいてチップを支払うと停めやすいスペースを案内してくれるなど、インドネシアならではのバイク文化が確立しています。

8. インドネシア式時間「ジャムカレット」

インドネシアでは、「ジャムカレット」(“jam karet” = ゴムの時間)という言葉があります。これは「時間がゴムのように伸び縮みする」という意味で、予定の開始時刻がはっきり定まらない状態を指します。たとえば、友人との約束が「10時に集合」と決まっていても、10時半や11時に来るのは当たり前。「渋滞がひどくて…」といった理由ももちろんありますが、それを誰も責めない風潮があります。会社のミーティングでも、開始時刻に全員が揃わないことは珍しくありません。最初は日本的な感覚で「ちゃんと時間を守らなくては」と焦りましたが、インドネシアではある程度の遅れは想定の範囲内。逆に、遅刻をしてきた人に対しても「気をつけて来てくれてありがとう」という雰囲気があります。こうした時間に対するゆるやかな価値観は、ストレスを減らす一方で、やはり日本のようにきっちりと運用されないところにジレンマを感じることもあります。とはいえ、この“ゆるさ”に慣れると不思議と落ち着いてきます。渋滞やスコールなど予測不能の要因も多いため、少しぐらいの遅れは「仕方がない」「お互いさま」という考え方が根付いているのでしょう。日本で働いていると忘れがちな「臨機応変」や「おおらかさ」を学べるのが、インドネシア生活の面白いところです。

9. 日本ブランドの信頼感が圧倒的

インドネシア各地で生活していると、日本製品や日本ブランドに対する信頼の厚さに驚かされます。トヨタ、ホンダ、ヤマハなどの自動車・バイクメーカーはもちろん、家電や電子機器でも「日本製なら品質が良い」という認識が広く浸透しているのです。そのため、中古品でも「日本から輸入されたもの」というだけで付加価値がついたりします。また、ショッピングモールで販売されている商品には日本語が書かれているものが多いです。実際には中国や他の国から輸入されたものでも、日本語っぽいロゴやパッケージをあしらうと売れ行きが良くなるという話をよく耳にします。そのため「日本語が書いてあるけれど、日本製じゃない」という不思議な商品も多々あります。さらに、日本のアニメやドラマ、音楽にもファンが多く、現地の若者たちが日本のアイドルグループや声優を熱心に追いかけている姿を見かけました。こうした親日的な風潮を知ると、同じ日本人として嬉しい気持ちになりますが、同時に「日本製品=高品質」という期待を裏切らないよう、日本メーカーの責任も大きいと感じます。

10. 自然災害への驚きの適応力

インドネシアは洪水や地震、噴火、津波などの自然災害が頻発します。しかし、実際に現地で生活してみると、人々はそうした災害に対して驚くほど慣れており、冷静に対処している姿に感心しました。洪水が発生した際にも、パニックになることなく迅速に避難し、避難所では近所同士で食料や物資を分け合う姿が印象に残っています。災害復旧においても、人々の助け合いの精神が強く、地域コミュニティやボランティア団体が中心となって支援を行います。義援金を集めるためのチャリティイベントを開催するなど、政府や行政が十分に支援しきれない部分を市民が補っているのです。インドネシアでは「Gotong Royong(ゴトン・ロヨン)」という言葉があり、これは「相互扶助」「助け合い」を意味します。災害時に限らず、困ったときはお互いを助け合うという価値観が社会に根付いていることが、復興のスピードを速めている要因の一つだと感じます。このように、決して恵まれた環境とは言えない中でも、前向きに生きる人々のたくましさには学ぶところが多いです。日々の暮らしの中で、いつ何が起きても不思議ではないという認識があるからこそ、今を大切に生きるポジティブなエネルギーがインドネシアには溢れています。

まとめ

3年間のインドネシア生活を通して、多民族国家ならではの多様な文化・価値観に触れ、時にはカルチャーショックを受けながらも、大きく視野が広がる経験ができました。上記の10の「驚きの事実」は、ほんの一部に過ぎません。島ごとに違う言語や食文化、特有の風習など、まだまだ奥深い魅力が詰まっています。もし、インドネシアへ旅行や留学、ビジネスで滞在する予定がある方は、ぜひ現地の人々との交流を大切にしながら、ローカル文化を体験してみてください。思わぬ出会いや発見が待っているはずです!

kenji kuzunuki

葛貫ケンジ@インドネシアの海で闘う社長🇮🇩 Kenndo Fisheries 代表🏢 インドネシア全国の魅力を発信🎥 タコなどの水産会社を経営中25年間サラリーマン人生から、インドネシアで起業してインドネシアライフを満喫しています。 インドネシア情報だけでなく、営業部門に長年いましたので、営業についてや、今プログラミングを勉強中ですので、皆さんのお役にたつ情報をお伝えします。