マラン市内のユニークな村々を巡った後、スラバヤに戻るために鉄道を利用しようとしましたが、本数の少なさに加え、すでにチケットが完売しており断念。鉄道は便利ではあるものの、スラバヤとマラン間の移動では、時間や混雑の面からバスの方が、利便性が高いと感じました。
ちょうど駅で列車を見送った後、バスターミナルへ向かうためにタクシーを手配。マラン駅からターミナルまでは約20分の移動でしたが、途中の道中では街の喧騒と落ち着いた住宅街の風景が入り混じり、地域の生活感が伝わってきます。
タクシーがバスターミナルに到着すると、すぐに数人の呼び込みが近づいてきました。スラバヤ行きを希望すると、その場で隣のバスに素早く案内されるという、驚くほどスムーズな乗り換えを体験。スタッフのテキパキとした対応に感心しながら、運良く一番前の座席に着きました。
座った瞬間から物売りや音楽隊が続々と乗り込んできて、車内は早くも活気に満ちています。ピーナッツや飲み物を売り歩く人々、ギターを片手に即興演奏を始めるグループなど、まるで小さな市場のような賑わいです。信号待ちの間に彼らは次々と降りていき、車内がようやく落ち着いたころ、バスはゆっくりと発車しました。
バスは高速道路の入り口に向かいながら、助手スタッフが「スラバヤ行きだよ!」と声をかけつつ、新たな乗客を探し続けます。観光客や地元の人を問わず、効率的に乗客を集めるその熱意には感心させられます。途中で物売りたちが降車し、ようやく車内が静かになったところで本格的にスラバヤへ向けて出発。
料金は1人40,000ルピアで、助手が乗客から現金で徴収。領収書を確認すると、行きのバスとは異なる会社だったことがわかり、複数のバス会社がこの路線で競争していることを実感しました。各社が少しでも多くの乗客を集めようとする様子は、まさに生きた営業の現場です。
スムーズに高速道路を走り、約1時間ほどでプラバヤバスターミナルに到着。ここでタクシーに乗り換えようとしましたが、GRABタクシーはターミナル内に入れない仕組みになっており、指定された出口まで歩くことになりました。途中のバス停にGRABラウンジがあるのを見かけ、次回からはそこで降車するのが便利だと学びました。
こうしたターミナル周辺の利権は、インドネシアの大都市でよく見られる光景です。事前に乗り継ぎスポットを知っておくことで、無駄な移動を避けられ、より快適に旅を楽しむことができるでしょう。
バスターミナルから空港に向かう前に、時間があったため、途中にあるシティ・オブ・トゥモローモールで遅めの昼食を取ることにしました。しかし、モールに到着してみると、半数以上の店舗が閉まっており、少し寂れた雰囲気。それでも、せっかくなのでフードコートを探索し、営業しているカフェ風のレストランに入ることに。
このカフェで注文したのは、スラバヤの伝統料理である「ラウォン」です。この料理は、クルワックという木の実を使った真っ黒なスープが特徴で、牛肉がたっぷり入った少し酸味のある味わいが魅力。ラウォンは「世界で最も美味しいスープ」として国際的にも評価され、東ジャワを代表する名物料理として知られています。
スープ自体は辛さ控えめですが、地元の人々はサンバルを加えてスパイシーに仕上げ、白ご飯と一緒に楽しみます。レモングラスや生姜などのスパイスが効いており、深いコクと爽やかな酸味のバランスが絶妙です。寂れたモールで意外な一品に出会えたことは、旅の中でも印象的な瞬間となりました。
美味しいラウォンで満たされた後、GRABタクシーでジュアンダ国際空港へ向かいました。移動は順調で、出発時間にも余裕を持って到着できました。