沖縄民謡「安里屋ユンタ」の歌詞はインドネシア語ルーツ説があった‼
安里屋(あさとや)ユンタは沖縄県八重山地方の沖縄民謡で、那覇空港と首里を結ぶゆいレール安里駅到着時のメロディーにも使われている有名な歌です。
沖縄の独特の節回しで歌われる囃子言葉の中の「マタハーリヌ チンダラ カヌ シャマヨー」はインドネシア語のような言い回しがあるのです。
インドネシア語の意味を知れば、インドネシアと沖縄が結びついていたと思えるかもしれません。
沖縄民謡で有名な囃子言葉『マタハーリヌ チンダラカヌシャマヨー』
「安里屋ユンタ」は、沖縄県八重山諸島の竹富島に伝わる古謡に1934年に「新・安里屋ユンタ」(星克作詞、宮良長包作曲)という形に作り替えられ、今日まで多くの歌手に歌い継がれています。
「安里屋ユンタ」の中の囃子言葉に『マタハーリヌ チンダラ カヌ シャマヨー』というフレーズがあります。このフレーズを聞いても、日本語ではどんな意味が理解できませんが、インドネシア語に合わせて意味を知ると納得できます。
インドネシア語から意味を解釈
マタハーリヌ
マタハーリヌはマタハリ(matahari)と解釈され、「太陽」という意味です。マタは「目」で、ハリは「日」の意味もあります。
インドネシアに行くと、マタハリデパートが沢山ありますので、知っている方もいると思います。
チンダラ カヌ
チンダラはチンタ(cinta)と解釈され、「愛する」という意味です。
カヌはカム(kamu)と解釈し、「あなた」という意味です
インドネシア語で「私はあなたを愛している」はAku cinta kamu.(アク チンタ カム)と言います。
シャマヨー
シャマヨーはサマ(sama)と解釈し、「同じ」、「平等」という意味です。
サマサマ(sama sama)で「どういたしまして」という意味にもなります。
つまり
「マタハーリヌ チンダラ カヌ シャマヨー」は
インドネシア語で「マタハリ チンタ カム サマ」(matahari cinta kamu sama)
となり、
「太陽はあなたを同じ様に愛しています」
というなんともロマンチックな意味となりました。
南国情景を思い浮かべる、ゆったりとした印象深いフレーズが心和みますね。
インドネシア語ではないというのが定説
実は、色々調べると「マタハーリヌ チンダラカヌシャマヨー」はインドネシア語をルーツとしているのではないというのが定説です。
発祥の地竹富島ではこの言葉は八重山方言の古語で、
「また逢いましょう、美しき人よ」
という意味であるというのが定説のようです。
ですので、インドネシア語を語源とする解釈は、単なる風説に過ぎないとされていることも記されています。
沖縄以外の本土では、「チンダラカヌシャマヨー」は「死んだら神様よー」に聞こえるため、そう解釈している人もいまだ多いようです。
太陽はあなた方を同じ様に愛しています
インドネシア語を勉強していると、「太陽はあなたを同じ様に愛している」という解釈は非常に腑に落ちます。
これほど簡単で単純な単語の組み合わせにもかかわらず、フレーズとして一連のことばになると、強いインパクトがあり、感動的でロマンチックな意味になると感じます。
もちろん、定説の「また逢いましょう、美しき人よ」も素晴らしい意味ですので、インドネシアと沖縄の南国のある情景を思い浮かべながら、ことばの意味を合わせて、
ここの太陽は、あなたを同じように愛していますので、また逢いましょう、美しき人よ
と考えると、またここに来てくださいねと思わせてくれます。
このフレーズの解釈の正当性や俗説とかを越えて、インドネシアから沖縄に何らかの形でことばが伝わって、今でも沖縄民謡として、皆に親しまれていることを思い巡らせるだけでも、心が躍ります。
是非、インドネシア語の意味を思いながら夏川りみさんの「安里屋ユンタ」の、「マタハーリヌ チンダラカヌシャマヨー」を聞いてみてください!