【インドネシア】ジャカルタ、マカッサルは熱帯モンスーン気候
インドネシアのほとんどの地域が、熱帯雨林気候に属していますが、ジャカルタやマカッサルは気候区分が違い、熱帯モンスーン気候に属します。
本日はインドネシアの他の地域とは、少々気候が違う熱帯モンスーン気候についてお話します。
ジャカルタ、マカッサルの気候区分
インドネシアの多くのエリアは、熱帯雨林気候に属しますが、ジャカルタやマカッサルは、「熱帯モンスーン気候(Am)」の位置づけになることはあまり知られていません。
熱帯地域のエリアには主に3種類の気候帯があると言われています。雨の量でいうと、雨が多いのが「熱帯雨林気候(Af)」、対して雨が少ないのが「サバナ気候(Aw)」、そしてその中間が「熱帯モンスーン気候(Am)」です。
インドネシア全体が雨の多い熱帯雨林気候に対し、ジャカルタとその周辺は海による影響が大きい季節風のモンスーンの発生のため、サバナ気候ほど乾期が目立たない「熱帯モンスーン気候」となります。
雨季は雨が多い一方で、乾季にも多少の雨が降りあまり乾燥しないというのが定説です。
熱帯モンスーン気候とは
熱帯モンスーン気候は、ほぼ熱帯雨林気候と似ています。熱帯雨林気候との違いは、季節風(モンスーン)が吹きます。モンスーンが吹くところが、熱帯モンスーン気候のあるところと言えます。
モンスーンとは、季節風のことで、風の吹く方向で、乾季と雨季に分かれます。熱帯雨林気候と何が違うのかというと、降水量の違いで、熱帯雨林よりも降水量が少ないのが熱帯モンスーンとなります。
降水量で区分けすると、最小降水量が60mm未満という月があることになります。しっかり雨が降る、熱帯雨林気候と乾季がしっかりあるサバンナ気候の間ということになります。
つまり、結構雨が降るが、弱い乾季が来るイメージです。
熱帯モンスーン気候の場所は以外と少ない
ジャカルタやマカッサル以外での典型的な都市は、アメリカのマイアミ、オーストラリアのケアンズ、中国の海南省、ベトナムのフェなどがあります。日本では、沖縄県の北大東島だけが熱帯モンスーン気候に属しているようです。
熱帯モンスーン気候の農業
アジアでは、稲作が盛んに行われています。雨季にたくさんの雨が降り、乾季は乾燥しているが、雨季に水を貯めておけば、気温が高いので、米が年に2回収穫できる二期作ができるということになります。
稲作が盛んな地域には、人が集まり、人口が増えるという構図のようです。
稲作以外では、サトウキビやお茶、ココヤシなどの作物が栽培されています。
対する、熱帯雨林では、油ヤシ、バナナ、カカオ、天然ゴム等の栽培が盛んなので、インドネシアでは、スマトラ島やカリマンタン島が、まさにそれに当てはまります。
土壌は、熱帯雨林と熱帯モンスーンで同じ、「ラトソル」と言われる赤土で、酸性で栄養分が少なくやせている状態です。
最近のジャカルタ・マカッサルは雨季も乾季もあいまい
一般にインドネシアでは、5月から10月は東からの季節風の影響で乾季、11月~4月は逆に西からの湿った季節風の影響で雨季となりますが、近年の異常気象はこの境目をより曖昧なものにしているという感じがしています。
日に日に雨季の始まりが早くなっている気がしますし、乾季なのに雨季並みの雨が続くことも多くなりました。
最近の異常気象を肌で感じるようになってきているのは間違いありません。