インドネシアのイスラム教徒人口は2020年時点で2億2,900万人に達し、総人口2億7,350万人の87.2%も占めています。インドネシア各地にはモスクがたくさんありますが、どれくらいの数があるのでしょうか。今回はモスクについてご紹介したいと思います。
モスク(mosque)は、イスラム教の礼拝堂になります。日本や欧米ではモスクと呼ぶことが多いのですが、アラビア語ではマスジド(masjid)と呼びますので、インドネシアではマスジドの言い方の方が一般的です。モスクの内部は、イスラム教の偶像崇拝がない教義のため神様などの偶像などが設置されることや描かれることはありませんので、意外とシンプルな作りとなっています。イスラム教の聖地であるサウジアラビアのメッカの方角に向けて礼拝の方角を示すくぼみがあります。設備としては、礼拝の前に体を清めるための洗い場が設置されています。
イスラム教徒は毎日5回メッカに向かい礼拝を行います。礼拝場所はモスクだけではなく、ムショラ(Musholla)と呼ばれる簡易な礼拝場所や自宅や会社などでも行いますが、金曜日のお昼にはモスクへ行き礼拝を行います。モスクはイスラム教徒の人々の交流の場所でもあり、とても重要な場所となります。
世界最大のイスラム教国家であるインドネシアには、イスラム教徒の礼拝堂である「モスク」が各地に存在し、宗教省 (Kemenag) のデータによると2022年5月時点でその数は290,161にもなることが分かっています。イスラム教の礼拝所やモスクの数が国内に非常に多いのも不思議ではありません。
インドネシアでモスクが多い州のランキングとなります。
西ジャワ州はモスクが最も多い州で、59,243 のモスクがあります。上位8位は以下の通りです。
1位 西ジャワ 59,243
2位 中部ジャワ 50,691
3位 東ジャワ 49,869
4位 南スラウェシ 14,410
5位 ランプン 12,052
6位 北スマトラ 10,626
7位 南スマトラ 9,382
8位 バンテン 8,698
上位3位までは全てジャワ島にある州が占めていることが分かります。人口が多いジャワには、たくさんのモスクがあることがわかります。
南スラウェシ州のマカッサルも周辺はモスクだらけであり、ちょっと道を歩くだけでいくつものモスクに遭遇します。朝4時頃からアザーンの大合唱が始まりますので、アラームをかけなくても毎朝4時過ぎには目を覚ますことができます。
インドネシア34州で最もモスクが少ないのは、バリ州です。ヒンズー教徒が圧倒的に多いバリ州内のモスクの数はわずか 250しかないそうです。