インドネシア、その常夏の地で迎える真夏のクリスマスは一体どのようなものなのでしょうか。この疑問を解決すべく、マカッサルの街を散歩してみることにしました。熱帯の日差しの下、クリスマスの光景を探してみました。
今日は12月25日、クリスマスです。インドネシアは多宗教国家であり、クリスマスも国の公式な祝日として認められています。しかし、イスラム教徒が多いこの国では、クリスマスは何とも静かに、また独特の形で祝われます。インドネシアでは「ナタル」と呼ばれるこの日、国内の5つの主要宗教(イスラム教、キリスト教、プロテスタント、カトリック教、ヒンズー教、仏教)の信者たちは、それぞれの信仰に従い、異なる方法でこの日を過ごします。
イスラム色が強いマカッサルの街を歩いていると、クリスマスの雰囲気はそこかしこで感じられますが、その表現は控えめです。しかし、インドネシア第7の都市であるこの地では、モールやホテル、レストランではクリスマスの装飾が施され、祝祭の雰囲気を感じることができました。特にモールでは、プラスチック製のクリスマスツリーやカラフルなイルミネーション、シンタクラースの飾りつけが目を引きます。こうした場所では、クリスマスの楽しさがより強く感じられますが、おそらく地方に行けば行くほど、このような装飾は目にする機会が少なくなるかもしれません。
インドネシアはイスラム教徒が大多数を占めており、ハラル製品が主流で、街中にはモスクが数多く建っています。それでも、この国は多文化共生を目指しており、異なる宗教間の調和と尊重が重要な価値となっています。全国には約2,500万人のキリスト教徒がおり、それぞれの地域で独自の伝統を持ちながらクリスマスを祝います。スラウェシ島のマナドやトラジャ地方などキリスト教徒が多い地域では、地域特有の祝祭や料理でこの時期を祝福します。さらに、大都市のショッピングセンターでは、伝統的なクリスマスツリーやサンタクロースの飾り付けが見られ、テレビ各局ではクリスマス特別番組が組まれ、政府主催の祝祭が放送されます。伝統的な食べ物やナスター(インドネシアのパイナップルケーキ)などの特別な料理が楽しまれます。
キリスト教、プロテスタント、カトリック教の信者は教会に集い、祈りを捧げます。他の宗教の信者は教会には行きませんが、互いに「メリークリスマス」と挨拶を交わし、この特別な日を共有します。イスラム教徒がクリスマスを積極的に祝うことはありませんが、彼らもこの祝日を尊重し、ショッピングモールやアパートではクリスマスの装飾が施され、季節に合わせた商品が見られます。季節変化が少ないこの地域では、クリスマスの装飾が年の瀬を感じさせます。若い世代は特に、宗教的な側面よりも、楽しいイベントとしてクリスマスを楽しんでいる様子でした。
はじめは違和感があった真夏のクリスマスにも、今ではすっかり慣れてしまいました。
Selamat Hari Natal(スラマット・ハリ・ナタル:メリークリスマス)