インドネシアのマカッサルに移住してから早3年が経ちました。この3年間、インドネシアという国の多様な魅力を発見し、文化や人々の温かさに深く触れる機会に恵まれました。しかし、生活が長くなるにつれ、どうしても慣れないことや納得できない場面に出くわすことも少なくありませんでした。今回は、インドネシアでの生活を通して感じた「納得がいかない」ことについて、7つお伝えします。
インドネシアでまず驚いたのは、「ジャム・カレット」という文化です。これは「ゴムの時間」を意味し、予定や約束の時間が柔軟に(時に非常にルーズに)扱われることを指します。友人との約束や会議の開始時間が頻繁に遅れることがあり、時には1時間以上待たされることもありました。「あと5分で着く」というメッセージを信じて待ち続けた結果、実際には30分以上待つことも日常茶飯事です。特にビジネスの場面では、これが大きなストレスになりました。日本人として大切にしている「時間厳守」の概念を見直すきっかけにはなったものの、待たされる時間の無駄にフラストレーションを感じることも多いです。
都市部では近年、MRTやLRTなどの新しい交通インフラが導入され、利便性が向上しています。しかし、地方都市や郊外では公共交通機関がほとんど整備されていない状況が続いています。そのため、移動手段としてオンラインタクシーやバイクタクシーに頼らざるを得ないことが多く、時間や費用の負担が大きいです。地方の移動は一筋縄ではいかないことが多く、路線バスの運行時間が不明確であることや、運行そのものが突然キャンセルされることもしばしばです。
役所での手続きは煩雑で時間がかかりがちです。書類の不備を理由に何度も足を運ぶ必要があったり、担当者が不在で手続きが進まなかったりすることもあります。また、受付時間が急に変更されていることもあり、非常にストレスを感じる場面が多いです。政府関連の手続きでは必要な書類がその場で追加されることが多く、一度の訪問で終わることは稀です。
街中でゴミが散乱している光景や、排水路がゴミで詰まっている様子を目にすると、日本の清潔な街並みが恋しくなることがあります。特に雨季になると、ゴミが排水を妨げて洪水の原因になることが多く、この問題の深刻さを痛感します。雨季の大雨で冠水した道路では、生活ごみが浮いている光景に遭遇することもありました。このような場面に直面するたびに、ゴミ問題への意識向上の必要性を感じます。
信号無視や歩行者への配慮のなさ、そしてひどい渋滞がインドネシアの交通事情を象徴しています。特に交差点を横断する際には、車やバイクを避けながら渡る「コツ」を身につける必要があります。交通マナーがほとんど守られていない中で、歩行者として安全に移動するのは容易ではありません。それでも、この状況に慣れてしまう自分がいることに驚きを感じることもあります。
特に地方では電力供給が不安定なことが多く、突然の停電で計画が狂うことも珍しくありません。エアコンが止まり、携帯電話の電波が悪くなるといった影響があり、仕事や生活に支障をきたす場面も多いです。オンライン会議中に突然停電が発生し、会議を中断せざるを得なかったことが何度もありました。2023年に起こった水不足による計画停電は毎日2-3時間突然電気が止まるのがとても厳しかった体験です。
インドネシアの雨季は、日常生活に大きな影響を与えます。特にマカッサルは、大雨が降ると洪水や冠水した道路での移動は困難を極めます。雨季の大雨の中、徒歩で目的地に向かう際、水たまりを避けられずに濡れながら歩くこともよくあります。強烈な日差しも日常的で、外出の際には必ず日焼け止めや帽子が欠かせません。
インドネシアでの3年間は、多くの喜びと挑戦に満ちたものでした。納得がいかないと感じる点も、この国の個性や文化の一部なのかもしれません。これからもインドネシアでの生活を楽しみながら、柔軟な姿勢で新しい発見を続けていきたいと思います。