インドネシアのジョコウィ大統領が計画しているジャカルタからカリマンタン島(ボルネオ島)への首都移転に関して、スハルノ国家開発企画庁長官が1月17日に、新首都名を「ヌサンタラ」とすることに決定しました。
ヌサンタラは、「島」を意味する「ヌサ(nusa)」と、「~の間」を意味する「アンタラ(antara)」から成る言葉で、「群島」を意味します。17,000島もある世界最大の島嶼(とうしょ)国家であるインドネシアを象徴する時に良く使用されます。14世紀の頃から、インドネシア、フィリピン、マレーシアまでを含む東南アジア海域に広がる群島を表す概念として使われてきた言葉となります。
新首都名の候補としては、ネガラジャヤ、ヌサンタラジャヤ、ヌサカリヤ、ペルティウィプラ、カクラワラプラなど、80個ほどあったようですが、最終的に「ヌサンタラ」に決定したようです。「ヌサンタラ」という名前が選ばれた理由としては、この言葉が長い間使用されインドネシア共和国を表す象徴であり国際的にも知られていることが理由ということです。
1967年に、首都ジャカルタに日本の協力で建設された、インドネシア初の高層ビルの名前が「ウィスマ・ヌサンタラ(Wisma Nusantara)」と呼ばれました。ジャカルタを象徴するスラマダタン噴水そばにあるプルマンホテル脇の高層ビルで、グランドインドネシアやプラザインドネシアに行った方は、一度は目にしていると思います。
今回新首都名が決定され、いよいよ2024年には移転が開始される見込みとなっていますが、首都移転にかかる費用は、466兆ルピア(約3兆5千億円)もの巨大な予算をどう捻出するかなど、多くの課題があるようです。
ジョコウィ大統領の任期も2024年となり3期目の就任はないと公言しているので、新首都の移転は、次期大統領の裁量となりそうですが、今後のインドネシアがどう発展していくのか楽しみでもあります。