ジャカルタに行くと、ひときわ目立つ大きな、キモかわいい人形に出会う事があります。
派手な民族衣装を身に着けた、高さ約2.5mの張り子の人形を「オンデルオンデル」と呼びます。
ジャカルタの象徴として有名なオンルオンデルですが、路上で物乞い行為をしているとして禁止の方向で動いているようです。
オンデルオンデル(Ondel-ondel)とは、ジャカルタでベタウィ民族芸能に登場する大きな人形です。高さは約2.5mもあり鮮やかな色の衣服を来ています。頭には色とりどりの紙で包んだケンバンケラペと呼ばれる髪飾りをかぶっているのが特徴です。
オンデルオンデルは常に男性と女性のペアとなっており、伝統的には、男性は顔が赤く塗られ、女性は白く塗られています。楽器を演奏する人と一緒に街中を歩きます。お祭りでは必ず登場し、魔除けとしてお祝いの席に呼ばれることもあります。
普段は道端でも見かける事ができ、ダンスをしながら、一緒に撮影に応じて、通行人から小銭をもらって生計を立てています。
特に貧困地区の住民にとって、オンデルオンデルでお金を稼ぐことは一般的であり、遊び半分で働ける仕事として定着しています。
大人がかぶる事もありますが、最近は子供達がこの仕事を担う事が多いそうです。青少年の人権団体は、子供達は搾取や虐待に対象になりやすいと警告をしています。
しかし、楽をして儲かるわけではなく、張り子は重さが約30Kgもあり、ジャカルタの熱帯気候も相まって、張り子の中はとても暑く、汗が止まらないと言います。
ジャカルタ特別州では伝統的なオンデルオンデルを使った物乞いに関して取締りを強化し始めています。
もともと、2007年の公序良俗に関する地域規制でジャカルタ市内の路上での物乞い行為を禁止しており、これに、オンデルオンデルを対象にするとしています。
禁止の理由として、ベタウィ人の文化的象徴としてオンデルオンデルの地位を保護するためとしています。
観光客に対して小銭をもらう手段として大道芸的な、偽オンデルオンデルも数多くいるのです。オンデルオンデルが、人々を楽しませるパフォーマンスではなく、物乞いの象徴として悪い印象につながっているというのです。
オンデルオンデルを含むベタウィ文化を維持するためには、取締もやむを得ないとの意見もあります。
ジャカルタの街ナカで、今後オンデルオンデルを見かけることがなくなってしまうのでしょうか。キモかわいいのでインパクトは十分で楽しみではありましたが、それは、それでちょっと寂しいですね。