海外進出する際大事となってくる事は、しっかりとした情報収集の結果、しっかり戦略を立て実行することです。しかも、戦略実行を、スピード感を持ってできるだけ早く行なうこととなります。
そのためには、海外事業に適した組織作りが必要になります。特に、日本本社と海外進出部との組織連携が大事となります。
特にインドネシアのような途上国での海外では、日本では考えられない事例が多発し、その度に日本本社に確認指示を待ち、現場を知らない日本本社からありえない指示内容が飛んでくると、現地社員が本社は何もわかっていない。OKYだと言葉を発する事になります。
OKYとはお前が(O)、ここに来て(K)、やってみろ(Y)の隠語です。
解決方法としては、ある程度現場に裁量権を渡してあげる組織を作ることです。海外進出部では、部長に権限を与え、あなたが失敗するのであれば、会社としては仕方がない、会社内の誰がやっても同じ結果であったと、あきらめがつく人材を投入する事が必要です。
海外進出部が行なう戦略の中で、マーケティング活動があります。日本で売れている商品なので、そのまま現地に持っていくだけで商品が勝手に売れるものだと、現地のマーケティングをおろそかにして、販売してみて売れずに撤退したという話を多く聞きます。
大企業であれば、盛大なCMなどの広告活動によって成功する場合もありますが、実は大企業でも現地に定着している日本の商品やサービスは意外に少ないものです。莫大なセールスをかけても実は儲かっていなかった、などの話は結構多いです。
資産がある大企業でさえそんな感じであるのに中小企業のような、経営資源が乏しい中での海外進出となると、なかなか成功しない事のほうが多いのが実情です。
中小企業が成功する要因として、大企業も狙わないニッチなマーケットを狙う事も必要です。大企業と同じやり方で中小企業が挑んでも、仮に成功しても後発の大企業にすぐに飲み込まれてしまいます。
中小企業は、セールスでもマンパワーでも大企業ほど予算をかけられません。しかも、すぐに結果を出さないと、撤退という判断を下すしかありません。
そこで活躍するのが、現場の組織であり、現地で集めた情報を、どうすれば少ない予算内で進出できるのかを考えるしかありません。どのような戦略で市場を攻めるかの考えひとつで、大きく結果が変わってくるのです。
日本本社側は、サポートに徹することが大事です。よほど大企業でない限り、海外進出部は数名で、現地駐在は1~2名です。
少人数で、営業、マーケティング、商品開発などを行なう中で、総務、人事、経理なども現地で全ておまかせとなると、全ての業務の知識が必要になってくるし、現地駐在は、現地営業に集中できず、本業意外の業務に押しつぶされてしまいます。
特に、発展途上国に進出した場合、すぐに売上や利益がでる事はまれで、仮に売れても現地価格での販売となって、大きな売上にならない場合も多いです。日本人を現地に送り込んでいれば、日本で支払っていた給与にプラスして海外赴任手当や、現地住居、治安が悪い地域ですとセキュリティの費用や、送迎の車の費用と多額の経費が必要です。
そんな中で、これっぽっちの海外売上や利益のために、こんなに経費をかけていると経営幹部の中で話しがでると、海外進出の話自体が中止撤退という事になります。
つまり、海外進出する際、正しい情報収集をしてスピード感を持って実行できる成功確率が高い組織を作る事が失敗を防ぐ方法という事になります。
海外進出を任された人は、海外にどこまでの経費をかけられるかを予算化して、結果をどこまで見るかによって、まだ継続するか、撤退するかの判断もすることも必要になります。