【インドネシア料理】オタッオタッはバナナの葉がポイント
オタッオタッ(otak-otak)とはどんな料理
インドネシアのマカッサルに行くと必ず食べる料理がオタッオタッです。
2015年にマカッサルに最初に訪問した時、衝撃を受けたマカッサルフードです。マカッサル好きになったきっかけのひとつであるオタッオタッとは?
オタッオタッは、魚のすり身とタピオカ澱粉、スパイス、ココナツミルクなどを混ぜて、バナナの葉で包んで蒸し上げた、いわゆる「蒲鉾」です。
インドネシアやマレーシアなどで広く食べられており、冷凍食品などにして販売されるなど、一般的に食べる料理です。
日本の蒲鉾は、板蒲鉾や、竹輪、笹蒲鉾などが有名ですが、インドネシアはバナナの葉で包む蒲鉾になりますので、インドネシアらしいですね。
オタクとは違う
Otakは、インドネシア語の発音ですと「オタッ(ク)」となり、(ク)はほとんど発音しないのですが、インドネシア語で「脳」という意味になります。
日本語だと「オタク」に聞こえますので、オタクオタクとインドネシア人が何回も言っていると最初はちょっとおもしろいですね。
インドネシア人に日本語の「オタク」の意味を言うと、インドネシア人も日本のオタク文化が好きな人が多いので、日本語を覚えてくれます。
オタッオタッも、見た感じ「脳」の様に似ていて、白っぽい灰色で、柔らかく、ほとんどフワフワしているという考えに由来しています。「脳」が料理名となっていることが面白いですね。インドネシアは、白色のオタッオタッに対して、マレーシアなどでは、唐辛子や、ターメリック、カレー粉などを混ぜるため、赤みのかかったオレンジや茶色の色になっています。
マカッサルのソウルフード
インドネシアでは、南スマトラのパレンバンの町が起源とされていますが、マカッサルでは、オタッオタッがソウルフードとなっており、色々なところで食べる事ができます。
オタッオタッは、魚のすり身をスパイスと混ぜて作られます。オタッオタッに使用される魚の種類はさまざまで、マカッサルではサバが一般的に使用されていますが、他の地域ではイカンテンギリ(ワフー)が人気の材料です。イカンベリダ(フェザーバックフィッシュ)などの他の種類の魚が使用される場合があります。すり身魚とデンプンは、通常、ニンニク、エシャロット、ココナッツミルク、コショウ、塩、砂糖などで味付けされています。
魚の町マカッサルでは、新鮮な魚が手に入りますので、おいしいオタッオタッがたくさんあります。
何個も食べられる
料理を注文すると、オタッオタッはすぐテーブルにもってきてくれます。店によっては、大量のオタッオタッが来て、食べた分だけお会計のお店もあります。前菜のような感じで、メイン料理が来るまでのつなぎとして、食べる事が多いです。酸っぱくてスパイシーなタレをつけて食べます。
マカッサルのオタッオタッの味は、新鮮なサバの原料をすり身にしていますので、魚の臭みがほとんどなく、魚のうまみと甘みがふわふわの食感と相まって、やみつきになります。もちろんビールのつまみとしても、最高な組み合わせです。オタッオタッとビールさえあれば、文句はありません。軽く10本はいけます。蒸した状態ででるオタッオタッもあれば、焼いたオタッオタッもあります。個人的には、焼いた方が好みですね。
もちろんマカッサルは、ムスリムばかりなので、オタッオタッとお茶で食べています。
利用価値が高いバナナの葉
オタッオタッはバナナの葉に包まれた状態で出てきます。
バナナの葉は繊維が豊富で丈夫、しかも撥水性に優れていますので、様々な物を短期的に包んで置くのによく利用されています。バナナの葉の包んだまま、蒸したり焼いたりする事も可能で、それにより臭みの在る食材等の匂いも緩和出来ましたので、利用価値は色々高い葉といえるでしょう。
食物を葉で包むのは、どの国においても太古から受け継がれてきた文化であり、植物の葉とは食器や調理道具にもなり、防腐剤としての効果や携帯用弁当箱としても使用されています。
バナナの葉あってのオタッオタッ
インドネシアではバナナの葉を使った料理やお菓子がいっぱい存在します。脱プラスチックなど昨今問題になりながら、実際はプラスチック製の包装容器にあふれている現代にあって、葉で包む食文化が残っている事にびっくりもします。
それは単に文明が遅れているのではなく、これまでずっとそうしてきたから、そうしないとこの味が出ないからという積極的な理由だという事に気が付きました。つまり、オタッオタッはバナナの葉あってこその味という事になります。
オタッオタッもほんのりとバナナの葉の香りがして旨味を出しているのです。
しかしながらオタッオタッを初めて見る日本人としての弱みは、葉に包まれた中身がなんであるか、食べるまでわからない点です。
インドネシアではバナナの葉で包まれた「ご飯」や「お菓子」の場合もあります。
最初は怪しく、開けてびっくりではありますが、おいしい事が、ほとんどですのでチャレンジしてみてください。
オタッオタッは冷蔵庫などに入れると日持ちがするので、マカッサルではお土産としても有名です。まとめ買いして冷凍して保存している家庭も多いですね。
インドネシアの海岸沿いの町では、オタッオタッが名物となっているところも多いので、是非食べてみてください。日本の蒲鉾と比べてみるのも良いですね。
きっと、オタッオタッのとりこになりますよ。