いよいよ海外事業の第一歩を踏み出すこととなります。しかし、ここからが始まりです。商売相手は海外にいるので、色々な点で注意が必要です。
日々のマネジメント、現地採用社員の労務、仕入れ先の確保、現地金融機関とのお付き合いなどこれからがいよいよ海外展開の本番になり、現地との密なコミュニケーションが必須となります。
国際ビジネススタンダード、英語がメインだが、相手が言語能力の違いからくるミスコミュニケーションが発生します。
言った・言わないなどのコミュニケーションや、相手の理解力、相手の言葉力にも左右されます。大事な契約では、母国語の通訳を入れる事も大事です。
輸送距離が長く、輸送している時間とその間のリスクもある。運んでいる途中で商品が劣化する、壊れるなど輸送方法や温度、配送業者の選択なども配慮する必要があります。
相手国のとの時差がある場合は、取引時間も考慮する必要もあります。
売買契約時に、契約書を交わしますが、その際の英文契約書の知識、ウイーン売買条約、仲裁、国際的な取り決めについての理解が必要です。大事な契約には、日本語、英語、相手国の母国語の3パターンを作成し、係争時は英語の契約書を有効とする方法があります。
ドル、ユーロ建て等決済通貨はさまざまである、為替リスクも生じます。相手の支払のタイミングや、どの為替相場を使用するなど前もって決めて起きましょう。相手国の通貨によっては、両替や振込手数料などの思いがけないほどの高額な手数料が引かれてしまいます。
為替予約の実施なども検討しましょう。
本当に支払ってくれるのか不安など代金回収にはトラブルが多く発生します。
また、商品によってはロットがまとまらないと採算に乗らない場合が多いので、取引が高額になる場合があります。
対応策としては、海外信用調査、貿易保険、前払い、L/C取引、保険契約などがあります。
貿易時にB/Lなどの輸出書類や輸出入の手続きなどの貿易実務の理解や経験も必要です。
海外の場合、規制法律、ルール、商習慣、労働環境が違うので、前もって相手国担当者と打ち合わせをしておく事が必要です。
海外との商売では、歴史、宗教、文化、商習慣などの価値観の違いが大きく影響します。
すぐに、相手国との価値観が理解できなので、現地従業員の雇用・育成を検討する事も検討しましょう。
何よりも大切なのは、現地事業パートナーとの円滑な交渉・契約になります。
現地の事業パートナーとの関係性は長期になりますので、今後の生産・販売、海外事業展開の命運に大きな影響を与えます。
提携先との交渉は慎重な行動が必要です。
現地パートナーとの商売を円滑にするため、現地法人を設立する場合、会社設立という事務的業務が増えます。
現地法人設立は設立エージェントとの書類のやり取りと役所との手続きをしっかり行えば、時間の長短はありますが設立はできます。
あくまで手続き上多忙になる位で、大きな問題になることは少ないといえるでしょう。