スパイス香る至福の一杯を求めて!マカッサルの極上スープ「パルバサ」を食べ尽くす!
インドネシアの南スラウェシ州に位置する港町・マカッサル。古くから交易の要所として栄え、さまざまな文化やスパイスが行き交ってきたこの街では、実に多彩な料理が生み出されてきました。なかでも、牛肉とスパイスが織りなす深い味わいで、現地の人々からも観光客からも支持を集めるのが「パルバサ(Pallu Basa)」です。
日本ではまだあまり馴染みのないパルバサですが、一度味わうと「また食べたい!」と恋しくなるほどクセになるスープ料理。そんなパルバサの特徴や歴史、そしてマカッサルを代表する名店「Pallubasa Serigala」について詳しくご紹介します。
南スラウェシの至福の一杯「パルバサ」
マカッサルは、スラウェシ島最大の都市でありながら、どこかのんびりした港町の雰囲気も併せ持つ不思議な魅力のある街です。海の幸・山の幸が豊富に手に入り、多様なスパイスも揃うことから、グルメの宝庫として知られています。チョト(Coto Makassar)など、スープ料理の名店も数多く存在する中で、パルバサは牛肉の旨味とココナッツミルクのコクが絶妙に調和した特別な一品。

「パルバサ(Pallu Basa)」という名前は、現地の言葉で「煮込む」「スープ」を意味すると言われています。実際に数時間かけてじっくり煮込んだ牛肉や内臓が、トロトロと柔らかくなり、深い旨味がスープに染み渡ることで唯一無二の味わいを生み出しているのです。
パルバサってどんな料理? その特徴と歴史
● 基本の材料。牛肉や内臓
スープの主役となるのは牛肉。そしてお店によってはレバーやハチノス、ハツなどの内臓が使われることもあります。内臓の旨味が加わることで、スープにさらに深みが増します。
スパイス
コリアンダー、クミン、ターメリック、ガランガル(南姜)、レモングラスなど、インドネシア料理の定番スパイスをバランスよく配合。カレーのように刺激的すぎず、かといって物足りなさも感じさせない絶妙なさじ加減が特徴です。
ココナッツミルク
マカッサルを含むインドネシア東部では、ココナッツミルクを使った料理が盛んに作られます。スパイス感をまろやかにまとめる重要な役割を担い、コクと甘みを加えてくれる存在です。
● パルバサの歴史と地域色
パルバサの起源ははっきりと定かではありませんが、マカッサル人が長い年月をかけて育ててきた家庭料理がベースと言われています。もともとは牛肉や内臓、スパイスを煮込んだシンプルなスープとして親しまれていましたが、ココナッツミルクなどの素材が加わることで、より贅沢で風味豊かな料理へと進化したとされています。交易都市ならではの豊富な食材やスパイスが、この独自の味わいを生み出す背景となったのです。

パルバサの味!スパイスとココナッツの絶妙なハーモニー
初めてパルバサを口にしたとき、多くの人が驚くのがその“濃厚さ”と“まろやかさ”の共存ぶりです。スープの色は茶褐色ややや赤味を帯びたものが多く、見るからに「コクがありそう」と思わずにはいられません。実際に飲んでみると、牛肉や内臓のエキスがたっぷり溶け込み、スパイスの香りが鼻腔をくすぐりながらも、ココナッツミルクがほどよい甘みとクリーミーさをプラスしてくれます。

また、カレーほど強く主張する辛さはなく、じんわり身体を温めるようなスパイス感が特徴。さらに、テーブルにあるサンバル(チリソース)を入れれば“辛味”が、ライムを絞れば“酸味”が加わり、味わいに立体感が生まれます。この「味変」こそ、インドネシア料理の醍醐味。最初はそのまま楽しみ、途中でトッピングを追加しながら、自分だけの最高の一杯を作り上げましょう。
超有名店「Pallubasa Serigala」の魅力
● Pallubasa Serigalaの場所と行き方
マカッサル市内の中心部を走るJl. Serigala(スリガラ通り)に店を構える「Pallubasa Serigala」は、地元の人から観光客まで多くのファンを持つ超有名店です。タクシーやバイクタクシー(GojekやGrabなど)を利用し、目的地を「Pallubasa Serigala」と伝えれば、ほとんどのドライバーが迷わず連れて行ってくれます。マカッサル中心部の主要ホテルからは、車で15〜20分ほどが目安でしょう。

● 回転は早い
お店に到着すると、多くの場合、入口付近や店内に人だかりができていることが多いです。昼時や週末になると、地元の人たちで一層賑わいます。ですが、回転は比較的早いので、多少並んでいてもあまり待たずに席に案内されることが多いです。熱々のパルバサが運ばれてくるまでの時間も、地元の人々の活気ある様子を眺めながらだとあっという間に感じるはず。
● 価格やお店の雰囲気
パルバサ自体は一杯あたり日本円にして3百円程度と、観光客にとってはかなりお手頃価格。店内は決して広くはありませんが、テーブル席を中心に地元感あふれるアットホームな雰囲気が漂っています。壁には有名人や観光客が訪れた際の写真が飾られていることもあり、お店の人気ぶりを感じられます。
● サンバルで辛味をプラス
インドネシア料理には欠かせないサンバルは、唐辛子やニンニク、トマトなどをすり潰して作ったチリソースです。パルバサに加えれば、途端にピリリとした刺激がアクセントとなり、味がグッと締まります。辛いものが得意な方は多めに入れてもOK。ただし辛さが苦手な方は、まずは少量から試してみるのがおすすめです。

● ライムで爽やかな酸味を
テーブルには必ずといっていいほどカットライムが置かれています。これは、スープの濃厚さをキュッと引き締めてくれる“魔法のアイテム”。数滴絞るだけで、味わいが一気に爽やかになります。何度かライムを追加しながら味変を楽しむのも◎です。

● ご飯との相性も抜群
日本人にとってスープ料理は単品で味わいがちですが、パルバサは白いご飯との相性がバツグン。スープをご飯にかけて食べると、旨味をしっかり吸ったご飯がより一層おいしくいただけます。いずれにせよ、スープを最後まで余すことなく堪能してください。

マカッサルを訪れたら絶対食べたい一杯
マカッサルの代表的スープ「パルバサ」は、牛肉や内臓のエキス、そして多彩なスパイスとココナッツミルクが生み出す奥深い味わいが魅力です。地元の人々のソウルフードであり、観光客にも「ここでしか味わえない!」と人気を博しています。
中でも「Pallubasa Serigala」は、その名を聞けば誰もが知るほどの超有名店。行列ができるのも納得の美味しさで、特に生卵を落とすスタイルは一度試す価値があります。実際に行けばわかるのですが、店内の活気やスープの香り、ローカルの人々の笑顔など、すべてが食事の楽しさを盛り上げてくれるはずです。
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