【インドネシア】パーム油輸出停止の影響とは?
インドネシア政府はパーム油とその原材料の輸出を4月28日から禁止すると発表しました。インドネシアは世界最大のパーム油生産国であり、世界全体の供給の半分超を占めています。パーム油は日本でも多くの食品や洗剤などに使用されていて、今後価格高騰につながる恐れがあります。大変重要なニュースですが、日本ではあまり関心がないようです。
パーム油世界一の輸出国
世界で消費されているパーム油ですが、インドネシアは世界一の生産国であり輸出国です。主要生産国であるインドネシアとマレーシアでの生産が低調な上、世界的に油の需要が強まった結果、パーム油の価格が歴史的な高値に上昇しています。
インドネシアは世界一の消費国でもあるので、パーム油の価格上昇は国民生活に直結してしまうので、油の価格上昇を抑えるため輸出禁止して国内に供給を確保したい、ということのようです。
パーム油は植物油・植物油脂に名前を変えている
パーム油は、アブラヤシというヤシの実から採取されます。年間を通じて大量に収穫できるので食用需要を中心に化粧品や洗剤などにも使用されています。
日常でパーム油という単語を目にすることはほとんどありません。日本の家庭用の揚げ油は、なたね油やゴマ油、オリーブオイルなどは家庭にありますが、パーム油をそのまま家庭で使用しないからです。
実は日本ではパーム油自体を食品の原材料で使用されることが多く、パッケージの表示を見ると「植物油」や「植物油脂」の名前になっていて、大半のお菓子類に使用されています。マーガリンの原料もパーム油がほとんどです。パーム油は食料品以外にも洗剤や化粧品、バイオ燃料などあらゆる製品に使用されています。
【食用使用例】
チョコレート・ポテトチップスなどのお菓子類、マーガリン、インスタント麺、冷凍食品、外食店用の揚げ油、など
【非食用使用例】
洗剤、化粧品、石けん、工業用潤滑油、塗料、バイオ燃料など
様々な製品値段が上がりそう
パーム油は様々な用途に使用できるため世界的に需要が高まりましたが、供給国がインドネシアとマレーシアの2か国で世界の80%以上を占めている状態です。
インドネシアでは供給量を増やすため森林伐採が行われ、アブラヤシ農園に大規模転換する開発が急ピッチで進んでいます。パーム油のもとになるアブラヤシは高温多湿の熱帯地域で育ち、効率よく生産できるので、他の植物油よりも安価で年間通じて安定供給できるメリットがあります。
酸化や熱にも強く食感がなめらかで口どけも良いということで、多くの商品に使われてきました。
インドネシアによる、パーム油の輸出禁止により、世界で食用油の価格高騰につながり、食料インフレが一段と悪化する可能性があります。今後製品価格の上昇は避けられそうもありません。
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