インドネシアの南スラウェシの女性と結婚する際に男性は多額のお金を女性の家に納める必要があります。特にマカッサル・ブギス族の女性は日本でいう結納金が高いことで知られています。
パナイ(Uang PanaiまたはPanaikという)とはマカッサル・ブギス族で結婚する際に新郎から新婦の家族に送る結納金となります。このパナイですが高額であることが知られていて、数十億ルピア(数千万円)にも達することがあります。
パナイには、家柄や身分(例えば貴族の子孫であるなど)、美しさ、教育レベルから仕事に至るまで、女性の身分に応じた形で金額が決まるそうです。
例ですが、高校卒業の女子と結婚する場合は5,000万ルピア(約40万円)、大学卒業した女子は1億~1億5千ルピア(約80万~120万円)、貴族の子孫と結婚する場合は、10億ルピア(800万円)を用意する必要があります。マカッサルの平均的な月収が約3万円ですのでかなりの大金となります。
マカッサル・ブギス族にとって、女性は仕事もできるし子孫も残すことができ感謝されるべきであることを伝えたいということで、愛する女性を手に入れたい男性はその女性に値するパナイを支払う苦労が必要であるということです。
マカッサル・ブギス族の人々は勤勉であることが知られています。ブギスの男性は、結婚したい女性と一緒になりたいために一生懸命働き、結婚したい女性のパナイの条件を満たす必要があります。ときには海外にまで出稼ぎに行き、多くのお金をためて故郷に戻り結婚する人も少なくありません。
頑張って働き、意中の女性と結婚できる人もいれば、一生懸命働いてもパナイの条件が高すぎて結婚できないことも多いようです。
一生懸命働いて多額のパナイを用意できて見事結婚を果たすと、男性は離婚しにくくなるようです。愛する女性のために多くの苦労や努力をして得た大金を女性のために使ったので、離婚を思いとどまらせる効果もあるようです。
マカッサル・ブギス族の人にとって、女性は肉体的・精神的にも非常に価値がある神として評価され続けていることがわかります。実際、マカッサルの男性も女性もまじめに良く働いてくれます。パナイによってもたらされる勤勉の文化があることで、みんなが豊かになってもらえると嬉しいですね。