インドネシアには、人々の食材を仕入れる先としてパサール(Pasar)と呼ばれる市場があります。パサールはインドネシアのどの地域にも存在し、朝から夜まで買い物に集うことから「インドネシアの台所」とも呼ばれています。
本日は、インドネシア人の食文化や食生活を支えるパサールについてお話します。
パサールとは日本語で「市場」。パサールに入ると独特な匂いがあります。それは香辛料の香りかもしれません。インドネシア料理に欠かせないエシャロット、ウコン、シナモン、レモングラスなどの香辛料が大量に売られています。
そしてマンゴー、パパイヤ、ランブーダンなどの豊富なフルーツ、野菜、鶏肉、牛肉、羊肉、などの肉類、魚や干物まで売られています。食品以外にも食器、バッグ、服まで売られているので、地元の人々にとって日常生活に欠かせない必要なものはなんでも売っています。
パサールに近くには、ワルン(食堂)やカキリマ(屋台)が数多く営業しているので、その場で食事をすることも可能です。
パサールは地元の人同志が売り買いをしているためにその国の食習慣や物価を知ることもできます。
パサールで販売されている商品の大半は、街中のスーパーマーケットに並べられている商品とほとんど変わりません。しかしインドネシアの家庭では、スーパーマーケットよりパサールを好んで買い物をする人が多いようです。
パサールで販売されている商品は、どれもとにかく値段が安いのが特徴です。
スーパーマーケットで売られている食材と比べると、価格が3分の2程度、場合によっては半分程度になっていることも珍しくありません。
インドネシアのパサールでは定価のまま購入せず、少し値切るのが普通です。値引き交渉はパサールの醍醐味と言えます。交渉によって安い食材がさらに安くなるのは嬉しいですね。
スーパーでは値引きはできません。交渉次第ではかなり安く商品を買えるため、パサールへ訪れた際はこの価格交渉も一つのイベントとして楽しんでみるのもおすすめです。
規模にもよりますが、一般的にパサールで販売されているものは、スーパーマーケットと比べて種類が豊富だと言えます。スーパーマーケットには販売されていない地元の野菜や、大きくて新鮮な果物など、地域に根ざした食材を手に入れたいならパサールがおすすめです。
水揚げされたばかりの魚やその場で鶏をさばいてくれるなど、新鮮な食材が手に入るのもパサールの魅力です。パサールの生鮮食品は冷蔵して販売することがないので、売り場には新鮮な食材しかありません。肉や魚が30度を超える気温の中そのまま陳列されていますので、売り手も鮮度が悪くなってくると安くして売り切ってしまうので、新鮮な食材だけが並んでいます。
多くのパサールは、「朝市」と「ナイトマーケット」の二つの時間帯に分かれて営業をしています。早朝や夜遅くといったスーパーマーケットではカバーできない時間帯に営業している点もパサールの魅力だと言えます。
インドネシアの台所パサールに行って見て交渉して買ってみる、のはいかがですか?
スーパーマーケットでの買い物もいいですが、少し足を伸ばして、インドネシアのパサールの魅力を是非とも体験して欲しいです。