友人とご飯を食べに行ったら、日本ではほとんどの場合割り勘で支払います。
自分が誘ったとしても、誘われたとしても、同じような立場であれば、自分の分を払うのは暗黙の了解ではないでしょうか。ところが、インドネシアには割り勘という概念が存在しません。
本日は、インドネシアの割り勘についてお話します。
インドネシアで何人かで食事やお茶をともにすると、そのグループの誰かがまとめて全員分を払うのが一般的です。何人でご飯を食べようが、払うのは1人となります。基本は、お金持ちの人が払うというのが常識となっていて、同じような立場の友人であれば、誘った人が払うのが普通のようです。
日本では、若い世代を中心に割り勘が浸透してきつつあります。
インドネシアでは「レディーファースト」の意識が高いため、基本、男女で食事に行った場合は男性が支払うのが普通です。男性には甲斐性を求めるお国柄のようです。
日本では誕生日の人が、家族や同僚、友人から祝ってもらうのが一般的ですが、インドネシアでは、誕生日の人が周りをもてなし、食事をふるまう習慣があります。
誕生日おめでとう!食事奢ってください!となります。インドネシアに駐在されている日本人は、自分の誕生日にスタッフ何十人分もの昼食をごちそうしたという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、インドネシア人の中には、ご馳走するのが嫌で誕生日を隠しているという人も少なくありません。
日本人は一般にお金持ちだと思われています。全くお金を持っていなくても、日本人というだけで、当然のように支払い役は回ってきます。
私たち日本人は割り勘に慣れているため、このような風習に最初は戸惑うかもしれません。
この習慣を知らないと、かなりイライラすることになります。1-2回ならまだしも、毎回となると結構ストレスが溜まります。
インドネシアでは、「お金を持っている人が払う」のが当たり前です。奢ってもらう方は悪びれる様子もなく、「ありがとう!」と言葉で感謝を伝える人も多くはありません。
割り勘が当たり前な日本で育った私たちには、少々理解し難い文化ですが、インドネシア人から見たら、1円単位まで細かく割り勘にしている日本人のやりとりは滑稽に見えるようです。
インドネシアには、助け合いの文化が根深く残っており、お金に限らず、何でも持っている人が持っていない人に分け与えるという考え方の人がたくさんいます。
「次に食べに行った時には他の誰かが払うからお互い様」という考え方が根底にあるようです。
経済成長が著しいインドネシアですので、日本のお金持ちとは比べものにならない程の桁外れなお金持ちも増えてきてはいますが、それでもまだまだ、「日本人はお金持ち」と思い込んでいる人がほとんどです。
インドネシア人を食事に誘うなら、気持ちよくみんなの分を支払える時にしましょう。人付き合いにもお金が必要です。