インドネシアのジョコウィ大統領は、保健省に対してPCR検査費用を半分に引き下げるように指示したと発表しました。新型コロナ対策として検査数の増加を目的としているようですが、PCR検査料金が高いのはインドネシア特有の問題でもありそうです。
2020年10月に保健省が民間のPCR検査価格は90万ルピア(約7,000円)の上限を設定したようですが、実際には、PCR検査結果を24時間以内に
受け取れる場合には100万ルピア(8,000円)を超える料金がほとんどのようです。
実際、マカッサルのシロアム病院で受診したPCR検査は翌日判明のタイプでも120万ルピア(約9,500円)でした。
検査費用は大抵100万ルピアとなっていて、熱が出てコロナ感染が疑われる場合も検査代金が高額で支払うことができず、検査にいかない人が多いようです。また、20万ルピアほどの抗原検査をして陰性で安心しきっている人も多く、検査精度がPCRよりも劣るためにブレークスルー感染も起こっていました。
ジョコウィ大統領は8月15日にYouTube放送で、ブディ保健相に対して新型コロナウイルスのPCR検査価格を、現状の90万ルピアからおよそ半分価格の45万~55万ルピアにまで引き下げを行うように指示しました。
PCR検査スピードを上げて、感染者を早く特定するため検査結果は24時間以内で知る必要があると説明して、PCR検査価格が安いと検査数が多くなる可能性もあり、地域での感染拡大を制御しやすくなると述べました。
PCR検査キットの原材料のほとんどを輸入に頼っていて、コストが他国に比べて高くなることは仕方がないとの意見もでましたが、保健省がPCRの料金構成に関わる情報を一般に公開していないようで、PCR検査キット仕入れ価格は国民には知らされていないようです。
検査費用が高いのは、検査用の機械が高いわけでもなく、検査自体の医療行為が難しいのでもなく、インドネシア特有の流通上の中抜きがあったような感じです。
比較対象に出されたインドPCR検査費用はたったの8ドルなのに、なんでインドネシアは70ドル以上とバカ高いのかと大統領が問題を提起したようです。
インドネシアでの感染者が2万人台まで減っている今、検査体制を充実させワクチン接種を加速してなんとか感染拡大収束させてもらいたいですね。