新型コロナウイルス感染拡大により、航空業界は厳しい経営を余儀なくされています。インドネシアの国営ガルーダ・インドネシア航空も多額の負債を抱え、路線の見直しやリストラ策など経営再建中ですが、国営企業を管轄する国営企業省は、ガルーダ・インドネシア航空が経営破綻した場合に、ペリタ・エア・サービスをナショナルフラッグキャリアとする可能性があると見解を示しました。聞きなれない、ペリタ・エア・サービスとはどんな会社なのでしょうか?
ガルーダ・インドネシア航空(以下:ガルーダ航空)は多額の負債を抱えていて、財務的には存続するのが難しいと考えられています。現在国営企業省が指名したコンサルタントが中心となり債権者や航空機リース会社、投資家と再建交渉を行っています。
ガルーダ航空の保有する125機のうち自己保有機は6機しかなく残りの119機は複数のリース会社からのリース機であるため財務面で再建するにはリース会社との交渉となるため長期化するとみられています。
インドネシア政府としてもガルーダ航空は、すでに巨額の負債を抱えており、公的資金を投入することはないと、政府による支援を否定しています。最悪ガルーダ航空が経営破綻する場合は、ナショナルフラッグキャリアの交代はやむを得ないという状況です。
10月24日に国営企業省が発表した、ガルーダ航空が経営破綻した場合の代替航空会社として
ペリタ・エア・サービス(以下:ペリタエア)https://www.pelita-air.com/
を指名しています。ペリタエアは聞きなれない航空会社ですが、1970年の設立されたインドネシアの航空会社で国営石油会社のプルタミナの子会社となります。当時石油価格が高騰して大きな利益を得た際に国営プルタミナは数多くの子会社を設立したうちのひとつとなります。
ペリタエアは、南タンゲランに独自の空港であるポンドックケイブ空港を所有しています。現在定期便はなく、チャーター機専門として、ATR72を中心として9機で運用中です。
ペリタエアがガルーダ航空に取って代わるのは容易ではありません。ガルーダ航空は長年インドネシアのフラッグキャリアとして数多くの航空ルートを運航し、巨大な整備施設などのインフラを持ち長年ブランディングを持ち続けていたので、国営プルタミナが石油での莫大な資産があるからといって、航空機運営規模が小さいペリタエアがガルーダ航空を受け継ぐ事は容易ではありません。
このまま、ガルーダ航空が破綻して本当にペリタエアに代わってしまうのか、今後、ガルーダ航空がどのような道を進んでいくのか注目していきたいと思います。