インドネシアのレギュラーガソリンが値上げの危機となっています。今まで原油高騰により政府が補助金を入れて価格を安く抑えていたのですが、補助金支出による国家予算が圧迫しており近々価格が引き上げられるとの見通しです。値上げとなれば庶民の家計に大きな影響を与えそうです。
インドネシアのエネルギー鉱物資源省は、補助金対象の燃料の価格を引き上げたいとの意向を示しています。
インドネシアの国営ガソリン会社のプルタミナ(Pertamina)で販売されているプルタライト(Pertalite)のガソリン価格が値上げされることになります。プルタライトはオクタン値90の日本でいうレギュラーガソリンの位置づけで、政府が補助金を投入しているため安い価格で提供されています。
現在プルタライトは全国一律1リットル7,650ルピア(約70円)となっています。日本とのガソリン価格は税金などがあるのでなかなか比較対象にはなりませんが、8月29日現在の全国レギュラーガソリン平均価格は164.2円なので、インドネシアでは半額以下の価格です。
プルタライトですが、本来補助金がない状態の価格は、13,150ルピア(約120円)に達するそうです。これが、7,650ルピア(約70円)で販売されているので40%以上も補助金が投入されていることになります。
近隣諸国とのガソリン比較では1リットルあたりルピア換算で、
ちなみにオクタン値92の日本のハイオクガソリンにあたるプルタマックス(Pertamax)は地域によっても違うのですが、1リットル12,500ルピア(約110円)前後となっています。
インドネシアのガソリン価格は東南アジア近隣諸国よりも安いことに加え、原油価格高騰だけでなく、流通や移動が増えているので政府の補助金額が予算(502兆ルピア)の上限を超えてしまいました。
近い将来にこの補助金が入ったガソリン価格が上昇すると言われています。政府の補助金は既に底をついてしまったため、ジョコウィ大統領がプルタライトの値上げをすると発表しています。スリ財務大臣は、この補助金燃料を値上げしなければ、国家予算が崩壊するだろうと述べています。
一方でプルタライトの値上げをしてしまうと、高インフレに影響を与えるだけでなく、インドネシアの貧困層を増加させてしまうと言われています。物流価格の高騰などにも影響を与え食料品や日用品価格も上昇してしまうこともあり、電気料金やガス料金などの値上げも検討されていますので非常に難しい問題となっています。
今後、補助金燃料であるプルタライトが値上げされる日も近いと思いますが、政治経済的にも混乱しそうな雰囲気です。果たしてインドネシアの燃料事情はどうなってしまうのでしょうか、注視が必要です。