一度でも携帯電話をなくした経験がある方なら、その絶望感と混乱を理解していただけるでしょう。私の場合、その悲劇はジャカルタのスカルノハッタ空港で起きました。飛行機に搭乗するための準備をしていた際、うっかりと私は携帯電話をラウンジのテーブルに置き忘れてしまいました。携帯電話が無いことに気づいたのは、飛行機のドアが閉まった後でした。それまで当たり前のように使っていた携帯電話が、突然、手元から消えた衝撃は、語り尽くせないものがありました。どうやっても携帯電話本体は戻らないので、マカッサルに戻ったので同じ番号で携帯電話を復活させる手続きを行いました。
ちょうど日本に一時帰国する際のジャカルタのスカルノハッタ空港のラウンジで、インドネシアで使用していた携帯電話をうかつにも置いて、そのまま日本行きの飛行機に搭乗してしまいました。携帯電話が無いことが判明したのは、飛行機のドアが閉まった後、機内モードに設定しようとカバンの中を探しても見つからないので、ラウンジのテーブルに置き忘れたことが判明しました。ラウンジに戻ることもできず、ラウンジに電話して確認することもできずに、そのまま日本へと帰国してしまいました。帰国した後も、ラウンジに連絡してみましたが、かなり時間が経過してしまったのでどこにも無いとのこと、もう諦めるしかありませんでした。その後携帯電話の位置情報を確認すると、スラバヤに持っていかれた形跡があり、不正利用が怖かったので、やむなく携帯電話のIMEI回線停止の遠隔操作を行いました。これをすると、この電話を拾った方が別のSIMを入れてもこの電話は使用できなくなるようです。
帰国後、日本で使用している携帯電話は無事だったので事なきを得ましたが、インドネシアの携帯電話が無いことで一番困ったのはモバイルバンキングの利用でした。銀行に行かなくても支払いや送金が可能なモバイルバンキングは、私の生活にとって不可欠な存在でした。携帯をなくしたことで、いくつかの送金が遅れてしまうという状況に見舞われました。さらに、電子マネーのアプリも使えなくなり、財布そのものを失ったかのような状況になりました。
インドネシアのマカッサルに戻った後、新たな携帯電話を購入することから始めました。色々な最新機種が目の前に並んでいましたが、インドネシアで使用する携帯電話は最低限の機能があれば十分で、カメラ機能が充実している高価な機種は必要なかったので、最終的にはOPPOのA78 5Gを選択しました。
2023年6月に販売された最新機種のようで、メモリー 8GB RAM + 128GB ROM、バッテリー 5000mAh 急速充電 33W、デュアルSIM 、NFC付きと欲しかった機能は十分で、価格は4JTルピア(約3万8千円)とサブ携帯で使用するには価格もちょうど良かった機種でした。
すぐに購入手続きを行い、購入した携帯を持って、インドネシア携帯電話大手のテレコムセルのお店に直行します。以前無くした携帯番号と同じ番号を復活させます。インドネシアのスタッフの身分証明書(KTP)をかざすと、すぐにSIMが作成されます。聞くところによると1つのKTPで3つの携帯電話番号を持てるようで、1つの番号を自分用に設定してもらっていたので、簡単に同じ番号で復活できました。この番号で色々な電子マネーが紐づいているため、非常に助かりました。手数料は5万ルピアだけで、元の電話番号が復活しました!
次は、銀行でモバイルバンキングの設定に行きます。携帯電話本体が変わったので、モバイルバンキングを設定するためには、銀行での手続きが必要です。BNI銀行のマカッサル支店に行き、新しい携帯電話を出しながら、本人確認のパスポート、一時滞在ビザ(KITAS)、キャッシュカード、通帳などを提出して、設定し直してもらいます。再度パスワードの設定し直しなどを経て、携帯電話内にモバイルバンキングの設定が完了しました。これで、送金などが簡単に行えることになります。
同じ電話番号で復活したので、電子マネーも再インストールでちゃんと残高もそのままになって戻ってきました。色々手続きが大変でしたが、全て元通りになりました。変わったのは携帯電話の機種だけであとは、ようやく今まで通りの普段の生活に戻れます。
この一連の体験を通して、私は携帯電話が自分の生活にどれほど深く関わっているかを改めて理解することができました。これからは、もっと慎重に携帯電話を取り扱うよう心がけなければならないと痛感しました。この携帯紛失事件を通じて、皆さんにも携帯電話を失うという経験がどれほどの影響を及ぼすか、そしてその後どのように復活させるかを理解していただければ幸いです。