インドネシアはラマダンに入り日中は飲食できないプアサ(断食)が始まりました。南スラウェシ・マカッサルの定番デザートである「ピサンイジョ」は日没後に最初に食べる食事であるイフタールに最適な食事となっています。ピサンイジョをご紹介したいと思います。
ピサン・イジョ(Pisang ijo)はバナナを使った甘いかき氷デザートとなります。氷を表すエス(Es)を付け加えて、エス・ピサン・イジョ(Es Pisang Ijo)とも言います。ピサンイジョは、1本丸々の緑色のバナナが主役となります。バナナが熟す前の緑色の皮をイメージしていています。本物のバナナの皮は食べられないので、代わりに東洋のバニラと言われる甘い香りがするパンダンの葉で緑色に着色した米粉でバナナの皮をイメージしています。お餅のようなものでバナナの周りを包んでから蒸し加熱してあります。味付けはシンプルで、赤いシロップと、練乳、ココナツミルクと塩と米粉を少し混ぜたどろっとしたお粥のようなものをバナナの上にかけます。最後にかき氷をかけて冷たくして完成です。
ラマダン中、マカッサルの市内にはピサンイジョを売る屋台やテントが大量発生します。屋台でピサンイジョを持ち帰って、午後の18時頃に日没になりイフタール(Iftar)で断食が解禁になるのを待って最初にピサンイジョを食べるそうです。近所にもピサンイジョ屋台があったので、早速注文します。1パックにバナナとシロップ類がセットになって10,000ルピア(約85円)とリーズナブルです。このセットにかき氷もつけてくれるので混ぜて食べるだけになります。
見た目は、赤と緑で非常に派手ですが、バナナ自体と白いココナツミルクのお粥は味が強い訳ではなくそんなに甘くありません。シロップと練乳の量で甘さ調整して食べることができます。かき氷がうまく薄味にコントロールしてくれるため、自分好みの甘さにすることができます。
かき氷のシャリシャリした触感ともちもちのバナナの味が絶妙にマッチしていてココナツミルクと練乳がとってもやさしい味になっています。バナナ1本分を使用しているためボリュームがあるので、空腹の胃に負担かけずにお腹を満たすことができます。ピサンイジョはイフタールにぴったりの食事で、マカッサル市民に大人気なのです。断食の後に食べると、空腹なせいもあり美味しさが一層増大することでしょう。ピサンイジョを食べてつらい断食を乗り越えていきます。