カリマンタン島ポンティアナックはインドネシアで一番長い川であるカプアス川の河口にできた街です。カプアス川の河口にある小さな漁村を見に行くことになりました。
カリマンタン(ボルネオ)島は多くの川が流れているため「千の川の島(Pulau Seribu Sungai)」と呼ばれています。その中でもカプアス川は1,143Kmの長さを誇りインドネシアでもっとも長い川として有名です。日本一の信濃川の長さは367Kmですのでカプラス川は信濃川の3倍の長さということになります。
カプアス川には700種以上の淡水魚が生息しているそうで、淡水魚の漁獲可能性は200万トンと推計されています。漁師はカプラス川の豊富な魚を漁獲して生計を立てている源といえるでしょう。またカプアス川は、カリマンタン奥地への水路として機能するだけでなく、生産資材の輸送手段として経済においても重要な役割を果たしています。
カプアス川の河口付近はカカップ村と呼ばれ、ポンティアナック市内から車で40分ほどとなります。
カカプ村は17世紀頃から存在していて、漁業の村となっています。ポンティアナックから東の海に向かってまっすぐな道を走っていくとカカプ村の漁村に到着します。
海産物を売るお店などが連なり、ちょっとした観光地になっています。
今回は時間がなく行けませんが、桟橋から船で20分行った海の上にダルマ・バクティ仏教寺院があるそうです。
漁村の真ん中にも立派な仏教寺院があり、中国からカカプ村に到着してこの地に住み着いた証となっています。
寺院の脇には、7星橋(Jembatan Bintang Tujuh)があり、川の対岸を結んでいます。アーチ型の橋の上から川を望むと、漁船がたくさん並んでいます。
この橋全体が風水となっているようで、船が橋の下を問題なく通過した場合は、豊漁になると信じられています。万一橋の下で船が動けなくなると悪い兆候だということで漁業に行かない方が良いとされています。
カプアス川の河口付近では豊富な海産物が漁獲されていてエビやイカ、ナマズなど多く水揚げされるようです。
市場の様子などを見ながら地元の生活ぶりを垣間見ます。
寺院脇の車を駐車していたのですが、帰りには川の水が流れ込んできていました。地面と川面が近いなとは思っていましたが、潮位の変化で洪水になっていくそうです。このあたりは海抜10cmほどしかなく、家は海面の上ギリギリとなっています。満潮時にちょうど水が来ないところが床になっているのですが、今後の地球温暖化などで、水位が上昇した際には村自体がなくなってしまうのではと思うような低さです。急いで車を出してもらいましたが、ここで生活するのも大変そうです。
カカプの漁村を後にして、帰り道にポンティアナックは果物が美味しいということを聞きました。特に地元で採れるドリアンは最高だということで、道の途中の果物屋台でドリアンを食べることになりました。
ポンティアナックのドリアンは小ぶりで小さいものは500g位で大きくても1Kg位です。小さいドリアンは1つ20,000ルピアととても安いのですが、大きい方が良いとのことで、1個50,000ルピアで購入してその場で食べることになります。
実を割ると中からドリアンの良い香りがしてきます。
特有の臭さは少なく、熟していないのかと思って、ドリアンの中身を食べるとトロリとしたクリーミーな甘さが口の中に広がります。
茶色まで熟していない緑色のドリアンは美味しくないイメージでしたが、そんなことはなく、今まで食べたドリアンのイメージとは全然違う甘さがあります。
これが、1個50,000ルピアと激安で食べられるなんて幸せです。一瞬持って帰りたいと思いましたが、ニオイが車に充満するとまずいので、その場で食べるだけとなりました。
ドリアンを食べ終えポンティアナック市内へ戻ってきました。
次の日はポンティアナック滞在を終え飛行機でマカッサルに戻ることになります。
次回に続きます。