インドネシアとコンニャク芋
味噌おでんや刺し身こんにゃくなど日本人が大好きなコンニャク。コンニャクは低カロリーでダイエットにも良いとのことで、日本人は日常良く食べていますが、日本人以外の外国ではコンニャクを食べる習慣がありません。コンニャクの原料はコンニャク芋ですが実は、インドネシアからも多く輸入しているのです。コンニャク芋ですが日本とインドネシアを結んだストーリーがあるのをご存知でしょうか。
本日は、インドネシアのコンニャク芋についてお話します。
ポランとは
ポラン(Porang)は、ジャワムカゴコンニャク(ジャワ珠芽蒟蒻)と言われており、サトイモ科コンニャク属の多年草でインドネシアのジャワ島に自生しています。マンナンを含んでいるので、こんにゃくの原料になります。葉の上に小さな珠芽(ムカゴ)をつくって繁殖します。1度ムカゴを植えると、その後分散したムカゴが自然と生えてきます。収穫はムカゴ植え付け後の3年後から始まり、球茎を収穫します。
参照:Webio
大統領がポラン工場に訪問
ジョコウィ大統領が、ポラン工場(こんにゃく芋)工場を訪問し、インドネシアの輸出主力商品になると強調しました。
ポラン工場では、大きな塊となった球茎を加工し、乾燥コンニャク粉の形にして日本などに輸出しています。
日本でもコンニャクライスとして販売しています。
https://item.rakuten.co.jp/i-kappa/t-kansoukon10kiro/
ポラン栽培は、毎年植え直す必要もなく、除草と収穫を除き特別な管理を必要としないので誰もがポラン農民になりたいと、農業者への所得向上に役立っているそうです。
イシイさんがコンニャクをインドネシアで広めた
インドネシアでは石井正治さんという方がコンニャクを広めた人として有名です。
石井さんは、第二次世界大戦のインドネシアの元日本残留兵で、日本敗戦後もインドネシアに留まりインドネシアの国籍を取得しました。
当時ムカゴこんにゃく芋が自生しているという情報を元に地元インドネシアでは食用されていなかったポランを、地域の人々から高値で買取りました。
インドネシア産コンニャクを製造して日本に輸出しようとしたら、日本国内のコンニャク産業を侵害するとして輸出許可が出なかったそうです。石井さんはそこで諦めず、日本で出来ない製品を作ろうと乾燥コンニャクを作り日本に出荷を開始しました。
その後、石井さんはインドネシアで6つの会社を立ち上げ従業員数6,000人のグループ会社にまでなりました。
インドネシアで収穫できるポランに注目して日本に輸出し、インドネシア人の雇用安定と所得向上を目的としてインドネシアと日本の架け橋になることを生涯貫いた方です。
異国から来た敗残兵にもかかわらず、長年お世話になったインドネシアの人々に恩返しがしたいという想いを胸に石井さんは2002年に84歳の生涯を閉じましたが、現在でも石井さんの3代目が活躍されているそうです。
インドネシアでのコンニャク産業が発展し付加価値を生む製品までした石井さん功績を知る事ができ、コンニャクを食べる時には石井さんの事を思い出しながら食べようと思います。
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