東南アジアや中南米は一年中暑い熱帯地域が多く、「明るくアクティブな人が多い」というイメージがあります。では、なぜインドネシアが「ポジティブな国」として1位に選ばれたのでしょうか。
ポジティブな感情とは、心理学の用語で肯定的、前向き、積極的な意味合いを持つ言葉です。これは個人の思考や感情、行動に対する姿勢を示し、自己肯定感の高さや困難な状況においても解決策を見つけ出す能力、他人に対する好意的な態度を反映します。
ポジティブな思考は、ストレスの軽減、健康維持、人間関係の改善など、人生の様々な面で良好な影響を及ぼすとされています。現代社会では、ビジネスやスポーツ、教育などの分野でも頻繁に使用されています。
2023年のギャラップ世界感情レポートによると、インドネシアは世界で最もポジティブな感情を持つ国の一つとして認定されました。アメリカの世論調査及びコンサルティング会社Gallupが発表した「Global Emotions 2023」レポートによれば、この調査は2022年に142カ国で15歳以上の合計147,000人を対象に実施されました。
調査では以下の5つの質問を用いました。それぞれの質問に対する「はい」という回答を「ポジティブ」として集計し、結果はGallupの指標により0~100のスコアで表されます。
結果として、インドネシアはメキシコ、パラグアイ、フィリピン、ベトナムと共に85ポイントで同率1位にランクされました。上位10位には中南米と東南アジアの国々が多く含まれています。
インドネシア人は陽気で前向きな性格が多いとされています。レポートは、人々の日々の感情や体験を分析し、ポジティブな体験、楽しい時間の過ごし方、尊敬感、笑顔、学びや成長の感覚など、様々なポジティブな側面でインドネシアが高い評価を受けていることを示しています。特に、楽しさを共有する文化や相互扶助の意識の強さが理由として考えられます。
インドネシア人のポジティブな国民性の理由は、楽しさを誰かと共有する文化にあります。SNSで発見した面白い写真や動画をシェアしたり、世間話をしながら美味しいものを食べることで、インドネシアの人々は「今」の幸福感に気づきやすいのかもしれません。インドネシア人のレジャーや外食は、常に「だれかと」、できれば「大勢で」を基本としています。
インドネシア人のポジティブな感情は、文化的な絆、宗教的信仰、自然環境、そして社会全体のポジティブな文化的傾向によって支えられています。これらの要因が組み合わさり、インドネシア人の幸福感と社会的な健全性を高めていると言えます。
家族やコミュニティの絆を重視する文化、伝統的な価値観や宗教的信仰の日常生活への根付き、自然に恵まれた環境、社会全体でのポジティブな思考の促進などが、人々の幸福感に寄与していると考えられます。
詳しいレポートは下記からダンロードできます(英語)。