バリ島世界遺産を巡る家族旅行でブサキ寺院からウブドの北まで移動してきました。ティルタエンプル寺院は、聖なる泉の寺院として、バリで最も尊ばれている寺院の一つです。この場所は千年以上前から、ヒンドゥー教徒の崇拝者たちによって訪れられ、今日もその美しさと清らかな泉の水によって、世界中の観光客を引きつけています。
ティルタエンプル寺院(ティルタウンプル寺院・Pura Tirtha Empul)は、ウブドの北、タンパクシリンにある寺院で「聖なる泉の寺院」として、大変よく知られているお寺です。パクリサン川流域の壮大な棚田の景観とともに、ティルタエンプル寺院は2012年に世界遺産に登録されました。これにより、バリの屈指のパワースポットとして、更にその注目度が高まりました。10~14世紀に繁栄したワルマデワ王朝の息吹を今に伝える寺院は、約1000年の歴史を誇ります。
962年に発見されたこの泉の水は、魔王マヤ・ダナワと戦ったインドラ神が生み出したとされ、不老不死の水アメルタが湧き出すという伝説があります。この伝説により、病を治す聖なる泉として広く知られ、地元の人々だけでなく、世界中から人々がその恵みを受けるために訪れます。
寺院の敷地には沐浴場があり、ここでヒンドゥー教徒は清めの沐浴(ムルカット)を行います。幾つもの吐出口から聖水が流れ出し、信者たちは時計回りに一つずつ聖水を浴びていき、寺院でお祈りを捧げます。この泉から沸く聖水は、無病息災の力があると信じられており聖水を頂きに来る人も多くいます。
沐浴場の壁には聖水の吐出口が幾つも並んでいます。ただし、伝承によれば、2つの噴出口は死者を浄化するためだけに用いられ、生者が使用することは禁じられているものもありました。
ペティルタンや入浴センターとしても知られるティルタエンプルは広大な寺院群を持ち、全体を探索するには最低でも30分から1時間はかかります。また、敷地内へ入る前に「サロン」を身につけることが必要です。混雑時期は特に注意が必要で、訪れる時間を調整する必要があります。今回は、かなり混雑していたので、寺院の見学だけにして次回沐浴体験をしたいと思います。
寺院の隣には迎賓館があり、バリ島初代大統領、故スカルノ・ハッタ氏の旧別荘としても知られています。現在は政府要人の宿泊施設として使われているそうです。
その聖なる泉、神秘的な伝説、そして厳かな儀式に触れることで、バリ島の深い歴史と文化を体感することができまました。キンタマーニ高原からウブドまで世界遺産を巡りながら降りてきましたので、ウブドで宿泊するホテルまで移動したいと思います。