インドネシア・マカッサルで暮らし始めて3年半が経ちました。海外移住で一番苦労するのは食事管理ですが、ラマダンの時期は特に大変です。今回は、ラマダン期間におけるマカッサルの夕食事情を、自身の経験を交えて詳しくご紹介します。
通常、朝食と昼食は自炊で済ませています。朝は果物や麺類など簡単なものを中心に摂取し、昼食にはパンや野菜を使った軽めの料理を作っています。自炊は栄養管理の面でも経済的にもメリットが多いですが、仕事を終え疲れて帰宅した夕方になると、料理を作ることが億劫に感じられる日が多くあります。夕食は1日の締めくくりとしてしっかり栄養を摂りたいので、疲労感が強い日は外食に頼っています。モール内や自宅近くのレストランを利用することが多く、比較的早い時間帯(18時前後)に行けば、混雑もなくスムーズに食事を済ませることができます。
しかし、ラマダン期間に入ると、このスムーズだった夕食事情が一変します。イスラム教徒が日の出から日没まで飲食を絶つため、断食明けの食事(ブカプアサ)の時間帯にレストランが非常に混雑します。通常ならばすぐに座席を見つけ、注文してすぐに料理を受け取れますが、ラマダン中は17時頃から席の争奪戦が始まります。席を確保した人々は、断食明けの18時20分頃まで、約1時間半もの間ひたすら待機します。そのため、この時間帯に行くと席が見つけにくく、また見つかったとしても料理の提供タイミングが合わず、混乱することになります。
レストラン側もこの特殊な状況に対応するため、注文を受けた料理を断食明けのタイミングに合わせて提供しようとしますが、混雑時にはそれが難しくなります。多くの客が同じ時間帯に注文をするため、厨房は非常に忙しく、早めに料理を出さざるを得ない状況が頻繁に発生します。その結果、席に着いても食事はすぐに提供され、まだ断食明けの時間になっていないにもかかわらず、テーブルに置かれた料理を前にじっと待つことになります。この状況はまるで修行のようで、断食を実践していない自分にとっても非常に辛い時間です。
断食明けまで1時間を切る頃には、多くのレストランが満席状態となり、新たに入店すること自体が難しくなります。運良く席を確保できても、早々に料理が提供されてしまうため、周囲の人の視線を気にしながら急いで食べることになります。ムスリムでも、生理中や妊娠中の女性など特定の理由で食事をとる人もいますが、それでも視線が気になってしまいます。そのため、断食開けのピークタイムが過ぎる19時30分以降に食事をするのが一番現実的な選択肢になります。ただし、この時間まで待つのは、仕事後の空腹時には非常に厳しいです。
ラマダン期間のもうひとつの問題は交通渋滞です。断食明けの時間帯に合わせ、多くの人が同じ時間にレストランへ移動するため、市内はひどい渋滞が起こります。レストラン周辺の駐車場もすぐに満杯になり、道路にまで車やバイクが停められ、交通が大混乱します。この状況を目の当たりにすると「さすがにこれはないだろう」と呆れてしまうこともありますが、ラマダンという特別な期間だからと、自分を納得させ、怒らずに穏やかに過ごすよう心掛けています。
ラマダンも折り返し地点を過ぎました。通常の生活が一時的に大きく変化するこの期間は、海外移住者にとって特に工夫と忍耐が求められる時期です。しかし、これも貴重な異文化体験の一部だと思い、後半戦を乗り切りたいと思います。あと少し、この特殊な状況を上手くやり過ごしながら、ラマダン終了の日を迎えられるよう頑張ります。