【インドネシア】ラマダンはいつから誰が決定するの?イスラム暦につい
本日からラマダンが正式に開始されました。昨日の夜、宗教省が月の観測をして、新月を確認して9月に入った事を宣言して正式にラマダン月に入った事になります。イスラム教の人々は、月齢を意識し、新月とともに始まり、月が満ちて欠けて、新月とともに終了します。
世界のどこにいても月を眺める事で1ヶ月続くラマダンの進捗を確認することができます。
月齢によって決まる、イスラム暦についてお話します。
イスラム歴(ヒジュラ歴)とは
純粋太陰暦であるイスラム暦は、閏月による地球が太陽を回る周期との補正を行わず、1ヶ月が29日の月と30日の月を交互に繰り返していきます。
1年間が354日となりますので、1年毎に11日ほど太陽暦とずれていきます。およそ33年で季節が一巡するため、ムスリムは同じ季節のラマダンを2回経験する事になるのです。
ラマダンとは
イスラム暦(ヒジュラ歴)9月の事で、その月を聖なる月として、ラマダン期間中は、イスラム教徒の五行のひとつである「断食」(サウム、プアサ)が行われます。自身の信仰を清めるために、欲を捨てる期間として、日中の飲食を断つことから、断食を行う月として知られています。この期間は、飲食の食欲だけでなく、禁煙や性欲なども断つ事となります。
ラマダンは毎年違う
ラマダンの期間は、イスラム歴(ヒジュラ暦)のため、太陽暦と同じ日になりません。
ラマダンの始まりは、月の観測で新月から開始します。
西暦 | イスラム暦 | 最初の日 | 最後の日 |
2017年 | 1438年 | 5月27日 | 6月25日 |
2018年 | 1439年 | 5月16日 | 6月14日 |
2019年 | 1440年 | 5月5日 | 6月3日 |
2020年 | 1441年 | 4月24日 | 5月23日 |
2021年 | 1442年 | 4月13日 | 5月12日 |
伝統的な手法で月を観測
ラマダン月の開始は、現在でも伝統的な手法で月を観測して、新月であることを確認してから、宗教省により開始を宣言します。インドネシア全国87ヵ所で月の観測が行われた観測結果を元も宗教省がイスラム団体やイスラム法学者とともに決定します。
天気の影響により新月が見えないという理由で、1日ずれたりする場合もあるらしく、正式に宗教省から発表があって開始となるので、政府が管理しているとも言えるでしょう。
欲をもって悪い習慣を断ち切るのもひとつ
今年もラマダン月が開始されました。イスラム教徒以外が断食の話をきくと、なぜ現代でも苦行をする必要があるのかと思いますが、実際にイスラム教徒に聞いてみると、ラマダン月はつらい月ではなく、ラマダンが楽しみであるという人が多く見られます。
現在でもラマダン月を辛いとは思わず、イスラム教徒は誇りとして、欲を捨てる気持ちを持つことの大切さを伝えています。
非ムスリムですが、イスラム教徒に習って現代の欲にまみれた世界で生きる中で、悪い習慣をひとつやめてみるのも有りかもしれません。