トモホンの街を離れ、マナドに戻ることになりました。日も暮れてしまい夜になってきました。今回マナド・トモホンを案内してくれた日本人の方がサテ・カンビン(ヤギの串焼き)の店に案内してもらうことになりました。インドネシアの屋台料理B級グルメの王様と言って良いサテ・カンビンが楽しみです。
インドネシアではサテ料理が多くあります。通常サテとはインドネシア版の焼き鳥をイメージしてもらうと良いのですが、鶏肉だけではなく牛肉とヤギ肉もメジャーとなります。ヤギはインドネシア語でカンビン(Kambing)なので、ヤギの串焼きはサテ・カンビン(Sate Kambing)となります。特にヤギ肉は、イスラム教徒が多いインドネシアでは豚肉を食べない事もあり、ヤギは広く食べられている人気の食材となります。
案内してくれた日本人の方のマグロ工場の隣にあるお店で、サテ・カンビンがメインのお店となります。この店のオーナーがマグロ工場も運営されているので、マグロだけでなく、ヤギも工場で処理してお店で出しているそうです。日本ではヤギ肉はあまり馴染みがなく、臭いイメージであまり食べる事が少ないのですが、工場で下処理された新鮮なヤギ肉は全く臭みがなく、肉も柔らかいのが特徴です。しかし、ヤギの値段が最近高くなったそうなので大変だと話しを伺いました。
店頭でサテ・カンビンを焼いているのを見ると、ココナツの殻の炭で焼いているそうです。
ココナツ殻は火力が強く、煙も少ないとのことでカンビンの肉が煙臭くなく、外がカリッとして中が柔らかく焼くことが出来ます。ココナツ殻の炭は木炭よりも万能だと言っていました。
サテ・カンビンは肉とレバーの2種類がありました。ケチャップ・マニスとピーナツソースが混ざったソースをつけて食べます。ちょっと甘めですが、唐辛子も効いていて甘辛のソースがサテの肉と良く合います。
サテ・カンビンのお店は、必ずグライ・カンビン(Gulai Kambing)というヤギ肉のスープとセットで注文するのが一般的となります。ヤギの串焼きとスープの絶妙な組み合わせが抜群です。
グライ・スープは骨付きのヤギの肉をカレー風味のスパイスとココナッツミルクで長時間煮たもので、肉はトロトロ、スープにはヤギの旨味がギュッと凝縮されていて、一度食べるとクセになる味です。特にこの店のグライは山羊肉の下処理の技術、香り高いスパイスで山羊臭さが全くなく、とても食べ易い味になっています。
串焼きを食べた後は、グライ飲みながら口の中の脂を取り除くという食べ方です。もう病みつきになる旨さとなります。
日本ではヤギの肉をココナツ炭で食べるチャンスはないので、インドネシアならではの食文化に大満足となります。サテ・カンビンは10本で48,000ルピア(450円)、グライ・カンビンは28,000ルピア(250円)とインドネシアのB級グルメの王様と言っても過言ではないと思います。
ただし、ヤギの肉はコレステロールが多いので、最近高血圧気味の私は気をつけて食べないといけないと思うのですが、今回はヤギ肉のおいしさの誘惑に負けてしまいました。
今回お邪魔したサテ・カンビンのお店はこちらです。マナド空港の近くになりますので、アクセス抜群です。