2024年の夏、世界各地で再びエムポックス(旧称:サル痘)の感染が広がりを見せています。この状況を受けて、インドネシア政府は観光大国としての役割を果たしながらも、感染症の流入を防ぐための新しい入国管理措置を導入しました。新たな電子申告システム「SATUSEHATヘルスパス」を通じて、すべての入国者に対して事前に健康状態と渡航歴を報告することを義務付けました。このブログでは、エムポックス対策としてのインドネシア政府の取り組みと、新たに導入されたSATUSEHATヘルスパスについて詳しく解説していきます。旅行を予定している方々にとって、スムーズな入国を実現するために知っておくべき情報を提供します。
インドネシア運輸省空運局は2024年8月28日、ウイルス感染症エムポックス(旧称:サル痘)の国内流入を防ぐため、新たな水際対策を発表しました。この発表は、エムポックスの感染が国際的な健康リスクとして急速に拡大していることを受けて行われたもので、特にアフリカや他の感染拡大地域からの入国者を対象とした厳格な規制が含まれています。エムポックスは、直接接触や飛沫を介して伝染するため、インドネシア政府はウイルスの国内への持ち込みを防ぐため、渡航者に対する健康管理と検疫を急遽強化することを決定しました。
この対策は、インドネシアの主要国際空港、特にスカルノハッタ国際空港(ジャカルタ)とングラ・ライ国際空港(バリ)で8月29日から即座に導入されることが決定されました。これらの空港は、インドネシアの主要な玄関口であり、毎日多くの国際便が発着するため、特に入国管理が厳しく求められています。他の空港でも順次この対策が実施され、全ての入国者が対象となります。
インドネシア保健省は、エムポックスの国内流入を阻止するため、SATUSEHAT Health Passの導入を決定しました。これは、以前にコロナウイルス対策で使用されていた「プドゥリリンドゥンギ」アプリに代わる新たな電子申告システムです。SATUSEHATは、ウェブ上でのフォーム入力によって、渡航者の健康状態や渡航歴を記録・管理し、到着時に空港で検査と追跡が可能となるよう設計されています。
この新しいヘルスパスシステムは、インドネシアに入国する全ての渡航者を対象としており、入国前に自身の健康状態と過去21日間の渡航歴を報告することが求められます。インドネシア政府は、このシステムを通じて、感染症の拡大を防ぐためのデータを効率的に収集し、必要な対策を迅速に講じることを目指しています。
特に、エムポックスの感染者数が増加している地域からの渡航者に対しては、より厳格なチェックが行われる予定です。
SATUSEHATヘルスパスを利用する際のステップは次の通りです
わかりやすいように日本語翻訳したものになります
保健省は、到着空港での混雑を避けるためにも、事前にすべての手続きを完了し、QRコードを取得しておくことを強く推奨しています。
これにより、空港での入国手続きがスムーズに行われ、待ち時間を最小限に抑えることができます。
インドネシア政府がSATUSEHATヘルスパスを導入し、入国者全員に健康申告を義務付ける決定を行った背景には、エムポックスの世界的な感染拡大が深刻化している現状があります。世界保健機関(WHO)がエムポックスを「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言したことで、インドネシア政府は迅速な対応を求められました。
この新たな入国管理措置は、エムポックスだけでなく、今後発生する可能性のある他の感染症の拡大を防ぐための重要なモデルとなり得ます。インドネシアは観光業を主要産業とする国であり、外国人旅行者の流入が国の経済にとって不可欠です。したがって、厳格な入国管理と公衆衛生の保護とのバランスを取ることが今後の課題となるでしょう。
インドネシアへの渡航を計画している方は、SATUSEHATヘルスパスのシステムをしっかりと理解し、事前準備を忘れないようにしてください。