レバランおめでとうございます。
イスラム教徒にとって1年で一番おめでたい日はレバランです。
ラマダンが明けるとレバラン(Lebaran)です。
レバランはラマダンが終わったことで盛大に祝います。レバランは苦しい断食をやり通した喜びの祝日で、ムスリムにとっては、「正月」のようなものです。
断食月明けの日はイドゥル・フィトリ(Idul Fitri)ともいわれます。
今年は 5 月 13日と 14 日がレバランの祝日、15 日土曜日、そして 16日が日曜日となり連休になりました。
本日は、レバランの時に行う、ムスリムの人々の習慣を話したいと思います。
レバラン当日は特にきれいに装ってモスクに集まります。
お祈りをした後に、親戚、友人を訪問してお祝いの挨拶を交わします。一人ずつ手を握り、お互いに日常の非礼を謝罪するのが習慣を「ハラルビハラル」(halalbihalal)と言います。
「Ma’af Lahir Batin」は「私のすべての過ちを許してください」という意味で、目上の人に許しを請う挨拶となります。子は親に、使用人は主人に許しを請います。
この「ハラルビハラル」の挨拶をすることで、一年間の過ちはすべて帳消しになるそうで、日常の失礼を詫びて許しを請い、互いに飲食を伴い、親睦の場としての意味も持つ新年会のような挨拶廻り行います。
レバランはムスリムにとって清らかな祝日です。ラマダン中に断食やザカート(喜捨)などの善行を果たし、それが明けた後にお互いの過ちを許し合うことによって、聖なる精神の向上を目指しているそうです。
偉い人の家もこの日ばかりは大勢の人が押し掛けて食事がふるまわれます。もちろん“お酒”はありません。
レバランカードという日本でいう年賀状のようなものを送る習慣や、アンパオ(Angpao)というお年玉を親や親戚や近所達からもらえます。 子供達がアンパオを楽しみにしているのは、日本と一緒ではないでしょうか。
クトゥパット・サユール(Ketupat Sayur)とは、 ルバランの祝い料理の一つです。
クトゥパット(ketupat)は椰子の葉で編んだ籠の中にもち米を入れて数時間かけて蒸し上げた「ちまき」のような蒸し米です。そのクトゥパットを小さく切ったものと野菜(サユール)を、ココナッツミルクの中でかき混ぜた野菜スープを食べます。
また、サンバル・ゴレンと呼ばれる唐辛子、トマト、ニンニク、食塩などをすり合わせて作られた辛味調味料(サンバル)を炒めたものに、鶏や牛のレバー(アティ)を入れた、サンバル・ゴレン・アティもルバランの祝い料理の一つです。
今年のレバランはコロナウィルスの影響で、 礼拝を自宅で行うことを認める「ファトワ(宗教見解)」を発表しました。
実家に帰ることも規制されているので、家族、親戚が集まることもかないません。
しかし、インドネシアのムスリムは「スジャトラ(豊さや平穏)」が高まることを願いながら、いつもの習慣に従って今年もレバランを迎えることとなるのでしょう。