スラヤール島への航海
フェリーが動き出すと、エンジンの振動が船全体に伝わり、徐々にスピードが上がっていきます。デッキから外を眺めると、ビラの美しい海岸線が少しずつ遠ざかり、広大な海が目の前に広がります。波しぶきがキラキラと輝き、心地よい風が頬を撫でます。スラヤール島への冒険がいよいよ始まったことを実感し、期待感と興奮で胸が高鳴ります。
ビラ出発
ビラを出発し、スラヤール北の東海岸にあるパマタタ港に向かってゆっくりと進み始めました。ビラのエメラルドグリーンの海を出発し、港をゆっくりと抜けていきます。防波堤を越えると、海の色はグリーンから深い青色へと変わっていきました。船旅はスラヤールまで約25kmの距離を8ノット(時速15kmほど)の速度で進み、約2時間を予定しています。
フェリーが進むにつれ、エメラルドグリーンからディープブルーへと変わる海の色彩の移り変わりを楽しむことができます。周囲の風景は、透き通った青い海と青い空、そして遠くに見える小さな島々が織りなす美しい光景が広がっています。時折、海鳥がフェリーの周りを飛び交い、海面に突っ込んで魚を捕らえる様子が見られます。さらに運が良ければ、イルカの群れがフェリーの近くを泳ぐ姿も見ることができます。
この日の海は非常に穏やかで、ほとんど揺れを感じることはありませんでした。通常、この海域は海流が早く、時には荒れることもあるため、揺れることを予想していましたが、今回は穏やかな航海となりました。フェリーのデッキで風景を楽しみながら、スラヤール島への到着を心待ちにしています。
船内の様子
フェリーの内部は、効率的に設計されており、乗客と車両の両方を収容できるようになっています。1階部分は車両用のスペースで、乗船中もバスや車の中で過ごす乗客も多く見られました。これにより、混雑した客席を避けて、プライベートな空間で移動することができます。
2階部分は客席エリアで、前方には2段ベッドが配置されています。
ベッドは人気が高く、早い者勝ちで確保されており、すでに満員状態でした。ベッドに寝ころんだまま移動することができるため、長時間の移動には便利ですが、満員のため蒸し暑く快適とは言えませんでした。
後方部分には座席があり、こちらもほぼ満席の状態です。多くの乗客がリラックスして座り、景色を楽しんでいました。
船内には小さな売店もあり、カップヌードルやお弁当、スナック類が販売されています。
トイレも完備されていますが、ローカルスタイルのため、トイレットペーパーは持参することをおすすめします。乗船中にトイレを利用する際は、衛生面を考慮して自分の備品を持参することが望ましいです。
3階部分は操縦席とクルーのスペースとなっており、基本的には乗組員専用です。
しかし、2階の客席が満席であったため、船長にお願いして特別に操縦ルームのスペースを開放してもらいました。操縦ルームからは360度のパノラマビューが広がり、海の景色を存分に楽しむことができます。
後方部分はデッキとなっており、開放的な空間ですが、直射日光が強いため長時間の滞在は避けた方が良いでしょう。
スラヤール島への到着
フェリーは順調に進み、前方にはスラヤール島からビラに向かってやってきたフェリーと行き違う瞬間がありました。海の上での行き違いは興奮を伴い、同じ時間帯に出発したフェリーとのすれ違いは、一瞬の交流のような感覚を覚えます。
しばらくすると、スラヤール島の輪郭が遠くに見えてきました。インターネットの接続も再び可能となり、現地の情報を確認しながら到着を待ちます。
パマタタ港に近づくと、周辺には美しいサンゴ礁が広がり、海の透明度は抜群です。透明な水面からは、海底のサンゴや魚たちが見え、まるで水族館の中にいるような気分になります。フェリーはゆっくりと桟橋に接近し、乗客と車両の下船準備が始まります。
桟橋に到着した後、車に乗り込み、下船の準備を整えます。
ところが、バスが立ち往生して動けない状態になっていました。どうやら、船と桟橋を結ぶ橋がバスの重さで沈み、タイヤが引っかかってしまったようです。スタッフ総出でタイヤの下にロープの塊のようなものを敷き、傾斜をなだらかにしていました。トラブルにも迅速に対応し、無事にバスを脱出させることができました。
無事にスラヤール島に上陸し、新たな旅の始まりを感じながら車に乗り込みました。次の目的地は島の中心部にあるベンテンです。スラヤール島での新たな体験が待っていることでしょう。