実は遅い?パダンバイ港からギリ・トラワンガンへの予想外の船旅
パダンバイ港は多くの旅行者で賑わう中、私たちはギリ・トラワンガンへ向かう「Semaya One」高速艇に乗り込みました。出航は14時に設定されており、出航30分前にはすでに桟橋で待機していました。出航前のこの時間を使って、最終的な準備を整えました。トイレを済ませ、必要であれば酔い止めを摂取し、日焼け止めも塗り直しました。船旅に備え、興奮と期待でいっぱいでした。
船内の状況
乗船してすぐに、船内の状況は思った以上に厳しいものでした。船内は蒸し風呂のような暑さで、スタッフによるとエアコンが故障しているとのことでした。その真偽は定かではありませんが、蒸し暑い船内での2時間の船旅が待っていると思うと少し気が重くなりました。さらに、船内は180名を収容できる大型の高速艇で、満員で非常に狭い座席間隔が更なるストレスとなりました。
隣席との距離が非常に狭く、窮屈な環境での移動は、特に体の大きな欧米人にとってはさらに厳しいものだったでしょう。実際、乗客の80%以上が欧米人で、日本人の姿は見当たりませんでした。苦しい座席に耐えかねた乗客の中には、2階のオープンデッキに移動する人もいましたが、直射日光が照りつけるため、そこでも快適とは言えませんでした。
船内の状況は、安いチケットの代償として受け入れなければならない現実の一部となってしまいました。
思ったより遅い船の進行
高速艇と聞いていましたが、実際の船の速度は期待ほどではありませんでした。出発後、スマートフォンのGPS速度計アプリを使用して速度を計測したところ、速度は時速25キロメートルしか出ていないことが判明しました。パダンバイからギリ・トラワンガンまでは直線距離で約65キロメートル離れており、このペースでは到着までに3時間近くかかる計算になります。他の船会社では1時間半で到着するとの情報もありますが、我々の船はその半分の速度しか出ていませんでした。エンジンの調子が悪いのか、一向に速度は上がりませんが、乗り継ぎがないため速度が遅いことに対する不満を口にする人はいませんでした。逆に、揺れが少なく船酔いしやすい人にとっては、快適な船旅となったかもしれません。船酔いはなく、元気なまま島まで移動できそうです。
ロンボク海峡とウォレス線の通過
ギリ・トラワンガンへの航路は、ロンボク海峡を通過します。
この海峡は、ウォレス線という生物地理学的な境界線を含んでおり、アジアとオーストラリアの動植物の分布域が分かれる場所です。船から見える水深は1000メートル以上あり、大型タンカーの往来も多いこの海域は、常に興味深い景色を提供してくれます。ウォレス線は「見えない線」とも呼ばれますが、その両側に生息する動物種の違いは、この線が架空のものではないことを示しています。船の速度は上がることなく、ロンボク海峡での時間が長引く中、壮大な海の景色と生物多様性の豊かさに思いを馳せました。
遅れてギリ・トラワンガン到着
予定より40分遅れ、船旅は2時間40分に及んでようやくギリ・トラワンガンに到着しました。
島への入る際には入島税が必要で、外国人は20,000ルピア、インドネシア人観光客は10,000ルピアです。私は一時滞在ビザ(KITAS)を持っているため、インドネシア人価格で入ることを試みましたが、最終的にはなぜか無料で入れることになりました。
この島には独特の規則があり、その日によって変わることもありますのでスタッフの指示にしたがってください。
桟橋からは歩いてすぐのところに今回のホテルがあり、長い船旅の疲れを癒すため、静かなリゾートでのんびりすることを楽しみにしています。