ギリ・トラワンガンでの極上の時間も終わりを迎え、ついにバリ島へ戻る日がやってきました。しかし、ここで問題が発生。14時30分発予定の高速船は遅延し、15時に出発。パダンバイから空港までの移動時間を考えると、飛行機の搭乗締切時間20時に間に合うかどうか、まさにギリギリの状況。果たして、Semaya Oneの高速船とシャトルバスは、この窮地を救ってくれるのか?最後まで気の抜けない、スリリングな帰路の始まりです。
ギリ・トラワンガンでの素晴らしい滞在を終え、いよいよバリ島へ戻る時がやってきました。14時30分発の予定だった高速船は、結局30分遅れの15時にギリ・トラワンガンの桟橋に到着。パダンバイから来た乗客が降りると、すぐにこちらも乗船しました。しかし、船内にはまだギリ・アイル島やロンボク島へ向かう乗客が残っている状態。飛行機の搭乗時間を考えると、1分でも早く出発してほしいという気持ちが募ります。
本来、ギリ・トラワンガンからパダンバイへ戻る際には、途中でギリ・アイル島とロンボク島に寄港するため、往路よりも30分ほど余計に時間がかかります。ところが、乗客が少なかったこともあり、なんと桟橋での停泊時間はわずか5分!船は急ぎ出発しました。
ギリ・アイル島に向かうものと思っていたところ、船はそのままフルスピードでロンボク島へ直行。速度を落とすこともなく進んでいきます。不思議に思っていると、スタッフからアナウンスがありました。
「ギリ・アイル島へ向かう乗客は、ロンボク島で別の船に乗り換えてもらいます」
まさかのギリ・アイル島スキップ。この決定により、予定より15分の短縮に成功!通常ならここでの停泊があるため、大幅な時間短縮は大きな朗報でした。
15分ほどでロンボク島に到着し、パダンバイからの乗客がすべて下船。一部、ロンボク島からの新たな乗客を乗せて、すぐに出発となりました。ロンボク島からパダンバイまでは約1時間半で到着できるため、計算上は17時に到着できる見込み。ギリギリではあるものの、なんとか間に合いそうです。
ここからは27ノット(時速50km/h)のフルスピード航行。荒波にも負けず、驚くほど安定した乗り心地で、ぐんぐんバリ島に向かって進んでいきます。通常、船の移動はゆっくりとしたものを想像しますが、Semaya Oneの高速船は、まるで弾丸のように目的地へ一直線。
途中、潮の流れが速いポイントもありましたが、影響を感じることもなく、スムーズに進んでいきます。海上は渋滞もなく、トラブルさえなければ飛行機のように時間が読めるのが高速船の強み。快適なスピード感に、「これはいけるかも!」と期待が高まりました。
予定通り、17時ちょうどにパダンバイ港に到着。ここからが最終ステージです。桟橋に降りると、タクシーの客引きが一斉に声をかけてきます。「空港?すぐ行けるよ!」と誘われますが、事前に予約していたクタ行きのシャトルバスで空港へ向かうことを選択。
パダンバイから空港までのタクシー料金は500,000ルピア(約5,000円)。一方、シャトルバスはわずか75,000ルピア(約750円)。ただし、バスの所要時間は2時間半なので、計算上、19時30分に空港到着予定。まさにギリギリの時間設定ですが、シャトルバスの運転手の自信満々な表情に賭けることにしました。
Semaya Oneの事務所で、予約済みのクタ行きシャトルバスを発見し乗車。最初は自分ひとりかと思いましたが、最終的に6名が乗車することになりました。運転手はすぐに出発したかったようで、乗客が集まり次第、すぐにエンジンをかけました。
「2時間で着けるよ」と自信満々な運転手。
17時20分、パダンバイを出発。ここからは、まるでレーシングカーのような攻めた運転が始まります。渋滞が発生しても、バイクのように左右に車線変更しながらスムーズに進み、無駄な時間を作りません。まさにバリ島を熟知したプロの走り。「この運転、すごいな……」と感心するほどでした。
途中で夕陽が見え始める頃、バスは19時10分にクタのスーパーマーケットに到着。本来ならここが降車地点でしたが、運転手の計らいで、「空港まで行ってやるよ!」とまさかの延長サービス。
19時20分、バスは空港近くの歩いて行けるポイントまで移動してくれました。運転手の粋な計らいに感謝しつつ、最後の一歩を踏み出します。
ここまでの道のりを振り返ると、まさに奇跡の連続。もしギリ・アイル島で停泊していたら、もし船がさらに遅れていたら、もしシャトルバスがスムーズに出発できなかったら——いくつもの可能性の中で、最高の流れを引き寄せた結果でした。次回ギリ・トラワンガンへ行く際も、間違いなくSemaya Oneを利用したいと思いました。