日本に戻ったばかりの私が、最初の出張先となったのは山口県下関。茨城水戸からだと羽田空港や東京から新幹線を使うのが定番かと思いきや、実は茨城空港から福岡行きを使うと意外にも早く下関にたどり着けるのを発見。茨城空港と九州福岡を結ぶ便は、朝一番しかないのですが、タイミングが合えばとても便利。今回は地元・水戸から早朝バスで茨城空港へ向かい、そこから福岡へ飛び、さらに鉄道を乗り継いで下関まで移動してみました。
多くの人は首都圏から九州へ向かう際、羽田空港からのフライトを思い浮かべるかもしれません。しかし、茨城県に住んでいる場合、茨城空港が使えれば、朝一番のフライトで九州に飛ぶことが可能です。茨城空港は、自衛隊の百里基地を活用した空港で、便数こそ多くありませんが、福岡や神戸、札幌、沖縄に飛ぶことができます。福岡便は朝7時35分発というスケジュール。これが水戸から羽田経由よりもずっと早く九州に到着できる理由になっています。茨城空港からスカイマーク(SKYM)の「SKY831便」に乗るプラン。7時35分に離陸し、9時45分に福岡空港に着けるのはかなり魅力的です。
今回の出張は朝が早い。茨城空港を7時35分に出る便に間に合うよう、6時15分水戸駅発の空港バスに乗るため、水戸駅に6時に到着する必要があります。水戸駅周辺はまだ真っ暗で、人影もまばら。バスの待合室は暖房が切れていて、身が縮むような寒さでしたが、外はさらに冷えるので、何とか屋内でしのぎます。「こんな寒い朝早くからバスに乗る人は果たしているのか?」と思いつつ待っていると、バスが予定通りに到着。乗り込んでみると乗客は自分を含めて7名ほど。車内の暖房がしっかり効いていてホッとします。
水戸駅を発ったバスは、途中バス停には立ち寄らず、高速道路を使いダイレクトに茨城空港へ向かいます。所要時間はわずか45分。あっという間に茨城空港のターミナル前へ到着しました。都心の大空港と違い、バスを降りたらすぐそこが出発ターミナル。初めて来る人は、そのコンパクトさに驚くかもしれません。到着した時間は7時ちょうど。搭乗開始の15分前という、絶妙なタイミングです。
茨城空港は小規模ながら、必要な設備はきちんと整っています。まずは自動チェックイン機で搭乗券を発行。今回は荷物を預けずに機内持ち込みだけなので、カウンターに立ち寄ることなくスムーズに進みました。もし大きな荷物がある場合でも、列自体が短いので、大空港のように長々と並ぶ必要がほとんどありません。空港全体がコンパクトにまとまっているため、7時35分のフライトでも7時着のバス到着で十分間に合うのが茨城空港ならではの利点です。
制限エリアへ進むと、こぢんまりとした待合室にすぐ出ます。目の前にはターミナルビルを離れて駐機している機体が見えるシンプルな造り。歩く距離が少なく、すぐ飛行機に搭乗できるという安心感が魅力的。
7時15分から搭乗開始すると、あっという間に列が進み、7時25分にはほぼ全員が乗り込み完了。ドアクローズが7時25分、定刻7時35分には離陸体制に入るという驚きのスピード感です。
大都市圏の空港ではなかなか体験できない「フライトまでの短時間」で事が済むのが茨城空港の最大の特色と言えるでしょう。
離陸してしばらくすると茨城県の田園風景や、市街地が窓の下に広がります。
今回は天気も良く、雲が少なめだったので、はるか遠くに白く冠雪した富士山が見えました。
事前に窓側席を指定していたのもこの景色目当てでした。
機体は偏西風に逆らうように西へ西へ飛行を続け、9時45分に福岡空港へ到着。
2時間ちょっとのフライトで茨城から九州まで移動できるなんて、本当に便利。水戸から羽田経由で九州に向かうよりも、はるかに早く着く計算となり、「茨城空港を活かすのもアリだな」と改めて感じました。スカイマークの茨城-福岡便は、機材こそ大手より小さいものの、機内の快適度は悪くありません。座席の幅やピッチも十分で、2時間ほどなら全然問題なく過ごせます。ドリンクも無料で提供されで何よりも、2時間で九州入りできるスピード感が最大の魅力です。
福岡空港からは地下鉄で博多駅へ10分ほどで移動。空港から博多まで近くて全く苦になりません。博多駅に着いた時点で10時。
そこから10時15分発ののぞみ号に飛び乗り、小倉までわずか15分という速さに驚きます。
再び小倉駅で在来線に乗り換えて、関門トンネルを抜けると11時にはもう下関へ到着というスピード感。
この一連の移動ルートは「飛行機+鉄道」の連携がスムーズで、羽田や東京駅を経由するよりもかなり時短になります。実際、水戸から4時間ほどで山口県下関まで到達できたのは、自分でも驚きの早さ。日本の交通インフラの性能には感心するばかりです。
考えてみれば、「東京方面に出ずとも飛行機に乗れて、そのまま九州入り、さらに新幹線と在来線を乗り継いで下関へ」という流れは、全国的にも珍しいルートかもしれません。茨城空港を使うという“裏技”のおかげで、ここまでのスピードが実現したわけです。地元が茨城の場合、東京をスキップして九州へ行きたい人には、茨城空港を活かすルートは意外と穴場かもしれません改めて思うのは、日本の交通網の豊富さと繋がりの良さ。飛行機と鉄道の連携がしっかりしていれば、国内移動も思いのほか速く、負担が軽減されます。今回の出張先である下関では、限られた時間で仕事に取り組む予定です。