今回、マカッサルからジャカルタに移動するために、久しぶりにスリウィジャヤエアを予約しました。ガルーダインドネシアグループやライオンエアグループに比べると存在感は薄いものの、インドネシア国内線第3の航空会社として細々と運航を続けています。機材の古さや安全性に不安はありますが、フライト価格が非常に安いスリウィジャヤ航空についてまとめてみました。
スリウィジャヤ航空(Sriwijaya Air)は2003年に設立されました。子会社にナムエア(NAM Air)を持ち、設立以来インドネシア国内の主要都市を中心に運航しています。LCC(格安航空会社)として、競争が激しいインドネシアの航空市場で一定の地位を築いてきました。国内路線ではジャカルタを中心にメダン、スラバヤ、ポンティアナック、マカッサルなどの主要都市及びバンカ島のパンカルピナン、ブリトゥン島のタンジュン・パンダンに就航しています。機材は、2024年7月現在B737-500が1機、B737-800が3機(1機はメンテナンス中)と就航機材は限られています。
スリウィジャヤ航空は過去にいくつかの重大な事故を経験しています。特に2018年1月9日に発生したスリウィジャヤ航空182便の墜落事故では、乗員乗客62人全員が死亡しました。この事故により、スリウィジャヤ航空の安全性に対する懸念が高まりました。また、トリップアドバイザーやスカイトラックスの評価も非常に低く、運行の遅れやキャンセル、サポートの不足が頻繁に報告されています。
スリウィジャヤ航空は、マカッサルからジャカルタへのフライトで最も安い料金を提供しています。以下は週末の土曜日発のフライト料金の比較となります
スリウィジャヤエア: 128万ルピア(約1万2千円)~140万ルピア(約1万4千円)
シティリンク: 150万ルピア(約1万5千円)~168万ルピア(約1万6千円)
ライオンエア: 154万ルピア(約1万5千円)~172万ルピア(約1万7千円)
バティックエア: 195万ルピア(約1万9千円)~220万ルピア(約2万2千円)
ガルーダインドネシア: 224万ルピア(約2万2千円)~232万ルピア(約2万3千円)
セールなどがあるとこれ以上安くなる場合もありますが、スリウィジャヤが一番安い価格を提供することが多いです。ただし、フライト本数が少なく、利用時間帯が夜に偏っているため、フライトの選択肢が限られます。
スリウィジャヤ航空が安価な運賃を提供できる理由はいくつかあります:
古い機材の使用: 古い航空機を安価で取得し運航することで、初期投資を抑え、運航コストを低く維持しています。航空機の平均年齢は20年近くで、これは競合他社に比べて古い状態です。
運営コストの管理: 効率的な管理により、機材のメンテナンスや運航の効率化を図ることでコストを低く抑えています。
競争の激化: インドネシアの航空市場は競争が激しく、他の航空会社も価格を下げる圧力を受けています。そのため、スリウィジャヤ航空は市場シェアを維持するために低価格設定を行っています。
政府の価格規制: インドネシア政府は国内航空運賃の最低・最高価格を設定しており、航空会社はこの価格範囲内で競争力のある運賃を提供しています。
価格は安いものの、安全性を考慮すると不安が残る航空会社です。インドネシア人の中には、「ライオンエアはなるべく乗りたくないが、本数が多いため仕方なく選択している。しかし、スリウィジャヤだけは絶対に乗りたくない」という意見も多く聞かれます。
スリウィジャヤ航空は、特に国内線において他の航空会社と比較して低価格を提供していますが、安全性やサービスについては評価が低い点もあります。利用者は、価格と安全性のバランスを考慮して選ぶ必要があります。マカッサルからジャカルタへの移動を検討している方は、時間帯とフライトの選択肢を慎重に確認した上で、スリウィジャヤ航空を利用することをお勧めします。今回もかなり不安な気持ちになりながらジャカルタまで移動したいと思います。