インドネシアに来ると、「ティダアパアパ」(Tidak apa apa)という言葉をよく耳にします。
インドネシア人気質が生んだ、お気楽な単語です。相手に対する思いやりであり、人間関係を円滑にすることばです。日本人にとって、インドネシア人との付き合いで、一番厄介な精神かもしれません。
インドネシア人にイライラしたら、この言葉の意味を理解しておきましょう。
インドネシアでは、人何か失敗をしたり、相手に迷惑をかけたと思って謝ると、笑顔と共に「ティダアパアパ」
が返ってきます。
アパ?(Apa?)が「何?」という意味で、ティダ(Tidak)が、「~でない」と否定ですので
あえて日本語に訳すとすると、
「大丈夫!」、
「なんとかなるさ!」とか、
「気にしないで!」ということになります。
インドネシア人の寛大で楽天的な気質をとてもよく表している言葉です。
多くの、いや、ほぼ全てのインドネシア人に共通して言える(と言っても過言ではない)のが「ティダアパアパ」の精神。
日本企業での生活が長い方にとっては、最初はカルチャーショックを受けるかもしれません。
この「ティダアパアパ」は本当に良く耳にする言葉で、仕事をする上ではなかなかの難敵になるものです。
仕事ができていればもちろん「ティダアパアパ」、できていなくても「ティダアパアパ」なのです。
最初はこの寛容さ、適当さにイライラすることもあるかもしれません。
しかし、相手のお客さんもインドネシア人の場合、日本のように完璧さを求められないのである意味気楽とも言えます。
あくせくしている日本人なら血相を変えて怒鳴られそうなことも、この国では「ティダアパアパ」と水に流してくれる。
ですが、重要な仕事は確認を怠らないようにしたほうが良さそうです。「ティダアパアパ」では済まない事にもなりまねません。
インドネシア人にとっての日本人は、礼儀正しい、でも堅苦しく、マニュアル化して何でもルールに縛られ、ルール通りで対応してくれ、と人間性に暖かみを感じない、つまりロボットの様に冷たい!とうイメージだそうです。
ロボットみたいに冷たいという意見には日本人の悲哀のようなものも感じます。
インドネシア人は、無頓着だとか暢気すぎるという批判も多数ありますが、人間的な暖かさを感じる「ティダアパアパ」が大好きです。
現代社会にはストレスが蔓延しており、疲れているときこそ、心に余裕を持ちたいところです。いつも時間に追われてカリカリ・イライラしている我々日本人も、たまには人間らしく「ティダアパアパ」と肩の力を抜きたいところでもあります。