インドネシアの小売業界は、多様な店舗形態と急速な成長を見せています。米国農務省（USDA）の報告書「インドネシア：小売食品 2023 年 7 月版」の報告書に引用されている2022年の状況を詳しく見ていきましょう。
１位 インドマレット（19,996店舗）：トップに立つインドマレットは、19,996店舗という圧倒的な店舗数を誇り、売上高は76.1億ドルに達しました。その広範なネットワークと安定した売上は、インドネシア小売業界の強さを象徴しています。
２位 アルファマート（17,394店舗）：アルファマートは、売上高でインドマレットに僅差で勝利し、76.2億ドルを記録しました。店舗数では2位ですが、売上高の成長率は驚異的で、前年比40％増を達成しています。食品、飲料、日用品の販売分野でインドネシアで最も売れている現代的な小売店となります。
３位 アルファミディ（2,273店舗）：Alfamartの姉妹店であるAlfamidiは、11億ドルの売上を誇り、都市郊外の主要道路沿いに位置する比較的大きな店舗が特徴です。
以下、4位以下の小売業者についても見てみましょう。
４位 Circle K（634店舗）
５位 Super Indo（189店舗）
６位 Hypermart（103店舗）
７位 Ramayana（76店舗）
８位 Carrefour（70店舗）
９位 Transmart Carrefour（63店舗）
10位 Lotte Mart（49店舗）
これらの企業は、特にスーパーマーケットやハイパーマーケットとしての地位を築いていますが、売上高はトップのコンビニエンスストアに比べると小規模です。
インドネシア全体の食品、飲料、日用品の小売売上高は、 2022 年には前年比 9% 増の 1,014 億米ドルに達すると推定されています。インドネシアの小売業界は、伝統的な市場と現代的な小売店の両方で成長を遂げています。
Euromonitorのデータによると、2022年には全国に398万店舗の小売店が存在しました。この数字は、前年の409万店舗から若干減少していますが、小売業界全体の成長は依然として健在です。
店舗の種類によれば、伝統的な雑貨店がインドネシアで最も多い小売形態であり、その数は2022年に約394万店舗に達しています。これはインドネシアの全小売店の98.78％に相当します。
また、多目的店（toserba）形式の小売店の数も増加しており、2021年の39,714店舗から4.38％増加して41,453店舗になりました。
食品、飲料、たばこの専門小売店は5,455店舗で2.27％増加しました。
スーパーマーケットとしての小売店は1,544店舗あり、5.18％の成長を遂げました。
また、インドネシアにおけるハイパーマーケットの小売店の数は298店舗で、1.36％の成長です。。
インドネシアの小売市場は、特に都市部での所得増加により、高品質でプレミアムな製品に対する需要が高まっています。これにより、特にアルファマートやインドマレットのような大手コンビニエンスストアの成長が促進されています。インドネシアの小売店業界はIndomaretとAlfamart（それぞれ系列店を含む）の二強で、今後それぞれがどのように差別化を図り、頭一つ抜け出ていくのかが注目されます。
インドネシアの小売業界は、大手プレイヤーの支配下にあり、その動向は国内経済に大きな影響を与えています。伝統的な市場の重要性とともに、現代的な小売店の成長が小売業界の将来を形作っています。今後も、このダイナミックな業界の動向から目が離せません。