【タナ・トラジャ】神秘の土地でのボル市場での水牛取引
スラウェシ島の心臓部に位置するタナ・トラジャは、神秘的な文化と奇抜な建築で知られる場所です。ここではトラジャ族の人々が長年にわたり独自の信仰と伝統を守って生活しています。今回はトラジャの深い文化と、ランテパオ近くのボル市場での水牛取引に焦点を当ててみましょう。
トンコナンと水牛の密接な関係
インドネシア中部、スラウェシ島中央部の山間地域に広がるタナ・トラジャは、「高地の人々の土地」を意味します。行政中心地はマカレであり、観光・商業の中心地は天空の街ランテパオと呼ばれます。この地域は標高1000メートル前後の高地で、コーヒー栽培や棚田による水稲耕作が盛んです。
住民の多くは先住民であるトラジャ族で、彼らはマレー系の少数民族です。トラジャ族の総人口約65万人のうち約45万人がタナ・トラジャに居住しています。多くの人々がキリスト教を信仰しながらも、土着のアニミズムを守っているところが特徴です。
観光の目玉の一つは周辺で行われる水牛を生贄にする大規模な死葬儀式や特徴的な家屋「トンコナン」です。トンコナンは高貴な身分の人々の住居であり、「富」や「権力」の象徴とされています。建設には甚大な労力がかかり、通常親類縁者が総出で造ります。しかし、現代では村を出て都市で財を築いた人も大きなトンコナンを建てるため、一概に貴族のものとは言えなくなっています。
トンコナンは高床式の造りをしており、住居としてだけでなく米倉庫としても利用されます。米倉庫として使用する場合には「アラン」と呼ばれます。
トラジャの人々は死者の魂が霊界へ行く際に水牛が必要であり、多くの水牛を供えることで魂の旅が速やかに進むと信じられています。トンコナンには死者とともに捧げられた多くの水牛の角が飾ってあります。
インドネシア最大の家畜市場!ボル市場
ランテパオ北東に2kmほどの場所にある「ボル市場」は、市民の生活用品や食べ物が並ぶ大きな市場です。
この市場では水牛や豚、鶏なども売買され、特に6日に1回開催される水牛市場は見どころの一つとなっています。最大で1,000頭の水牛が収容できると言われるボル市場は、インドネシア最大の家畜市場として知られています。
高価な水牛価格
市場ではさまざまな種類の水牛が取引され、その中でも特に高価なのがテドン・ボンガ(Tedong bonga)と呼ばれる縞模様の水牛です。その価格は100万円から1000万円にもなります。これはトラジャ族にとって非常に神聖で価値の高い動物とされており、所有者の富と社会的地位を示す存在とされています。
一般的に、水牛はトラジャ族の重要な儀式において中心的な役割を果たします。例えば、「ランブー・ソロ」と呼ばれる死の儀式では、家族が水牛を犠牲に供えることが求められます。この動物は死後の旅をスムーズにすると信じられているため、水牛を犠牲にできない家族は不名誉と見られることもあります。
また、市場では水牛の価格がその体の模様や性別によっても変わります。特にオスの水牛は価格が高く、その売買から得られる売上は非常に大きいものとなっています。
まとめ
タナ・トラジャはその独特な文化と深い歴史を持つ地域であり、多くの観光名所があります。トラジャ族の生活や信仰を垣間見ることができるこの地域は、訪れる者にとって貴重な経験となるでしょう。
人気記事海外送金!インドネシアから日本に送金、ワイズ(Wise)とトップレミット(Topremit)どちらが良いか?