最近、スーパーでもインドネシア産マグロを見かけることが多くなりました。
実は、インドネシアは世界で一番多くマグロを漁獲しているのをご存知でしたか?
今回はインドネシアで漁獲しているマグロの話をしたいと思います。
インドネシアは世界最大のマグロ漁獲量を誇り2018年は28万4千トン、年の漁獲高は5500億円と推定されています。
世界のマグロ漁獲量は2018年時点で217万tですので、インドネシアの世界のマグロ漁獲量に占める割合は13パーセントを占めています。2000年の時点では20万トンの漁獲でしたので、42%増と急激に漁獲を伸ばしています。(水産白書)
インドネシアの最大の市場がアメリカです。さらに日本、オーストラリア、香港、シンガポール、韓国へと輸出されます。
一般的にマグロと呼ばれているのはスズキ目サバ亜目サバ科マグロ属の魚です。
日本国内で食用になっているのはタイセイヨウマグロを除く7種です。
インドネシアで漁獲されるマグロの種類は、主にキハダマグロかメバチマグロ、コシナガです。コシナガは日本ではほとんど見ない小さいマグロです。
ひとくちにマグロと行っても見た目や味わい用途はさまざまです。それぞれの特徴を簡単に説明します。
メバチマグロは体長2m前後になり、全世界の熱帯から温帯域でとれ、資源量も漁獲量も多い。
関東では庶民のマグロで、スーパーなどで見かける機会がもっとも多いです。
熱帯・温帯域に広く分布する。体の割に頭部と目玉が大きく、ずんぐりとした体形。
重さ200キロになる大物もいるが、体長1メートル、重さ100キロ程度のものが多い。世界の漁獲量はマグロ類の中でキハダに次いで多く、刺し身用として出回るマグロの中では一番多いマグロです。
まき網でとる小型のものは缶詰などになる。近年では人工の集魚装置(FAD)が普及して、大型巻き網漁船によって子供のメバチが大量に漁獲され、資源の減少が心配されています。
キハダマグロは関東ではマイナーな存在で静岡県以西の太平洋に面した地域でよく食べられているマグロです。関西ではマグロのことを「ハツ」といいますが、キハダは「本ハツ」でもっとも好まれています。
キハダマグロはイエローフィン・ツナとも呼ばれ、成長とともに第2背びれと、しりびれが伸び、鮮やかな黄色になります。大きなものは全長2メートル、体重200キロほどになります。
はえ縄で漁獲されるものも、1970年代半ばまでは加工品の原料だったが、急速冷凍設備の普及で刺し身や寿司用に使用されています。
淡い紅色をした肉はマグロ類の中でも脂肪が少ない。加工用としても重要で缶詰、なまり節などにもなります。
他のマグロと比べ体が細く、特に尾部が長いことから名がついた。マグロの中で最も小さく、漁獲されるのは50センチほどのもの。腹部には白い斑点がある。日本では、主な漁業の対象ではないためほとんどが知られていないマグロです。
カツオのとれない九州北部や山陰では秋の風物詩的な存在です。ほとんどが赤身で、さっぱりした味わい。熱を通しても硬く締まらないので煮付けや焼き物で食べます。インドネシアではカレーの具やソテーに利用されています。
かねてからインドネシアの漁船は、マグロの群れごと水揚げできる大きな漁網(まき網漁法)を利用してきました。日本や台湾といった世界有数のマグロ生産者に匹敵する漁獲量を実現しているのはこのためです。
ですが、大きな漁網による漁法は、一帯の魚が生息数を回復できないほど獲りすぎてしまう恐れがあり、乱獲につながりやすいとの指摘もあります。
近年では、インドネシアはマグロの一本釣りでも日本に次いで2位にまで成長しているそうです。
これは1人が1匹を釣り上げる漁法であるために、意図しない魚を水揚げしてしまうようなこともありません。専門家によれば、インドネシア産マグロのおよそ2割が、こうした環境にやさしい漁法によって漁獲されているといいます。
1本釣りの漁法で、持続可能な漁法を推進しながら、おいしいインドネシア産のマグロが日本市場へも広がっていく事で、マグロを通じてインドネシアを身近になってくれると良いですね。