すでに乾季になっているはずですが、ウブドの天気は気まぐれです。ウブドは早朝から雨が続き、雨の音で目が覚めました。今回宿泊のビラは川の前にあるので、一瞬川の音かとも勘違いしましたが、本降りの雨が降りしきる音でした。天気予報を見ても一日中雨の予報だったため、室内で楽しめる場所を探すことにしました。
ビラでナシゴレンを食べながら、ゆっくりと朝を過ごしました。
雨音を聞きながらのんびりとした時間を過ごすのも、旅の醍醐味です。10時前に出発することにして、まずは近くにある「Museum Puri Lukisan」へ向かうことにしました。
Museum Puri Lukisanは、バリ島ウブドにある最古の美術館です。1956年に設立され、現代的なバリ伝統絵画や木彫りの最高のコレクションを所蔵しています。バリ芸術の発展と保存を目的として設立されたこの美術館は、バリの芸術と文化を深く理解するための重要な場所です。
美術館は6つの建物で構成されており、2011年には新しい南ギャラリー、オープンミーティングホール、カフェが追加されました。ウブドの中心部、ウブド王宮とウブドマーケットから西に約300メートルの場所に位置しています。
1936年にバリ芸術を保護・発展させるためにPitamaha Artist Cooperativeが設立されました。その後、1953年にRatna Wartha財団が設立され、美術館建設の構想が生まれました。1954年1月31日に美術館の建設が始まり、1956年には正式に一般公開されました。
美術館には独立戦争前(1930-1945年)から独立戦争後(1945年-現在)までの時代をカバーする作品が展示されています。サヌール、バトゥアン、ウブド、ヤングアーティスト、ケリキなど、バリのさまざまな芸術様式の重要な例を見ることができます。特に、I Gusti Nyoman LempadやIda Bagus Nyana、Ida Bagus Gelgelなどの著名な芸術家の作品は見逃せません。
バリの芸術家たちが自身のアイデンティティを失うことなく技術を向上させる場としても機能しており、バリの芸術と文化に興味がある人にとって必見の場所です。
Museum Puri Lukisanでは、バリの伝統と現代が融合した素晴らしい作品を鑑賞しました。近代バリ絵画や木彫刻、独特のスタイルを持つ芸術家たちの作品に触れることで、バリの文化の深さと多様性を実感しました。特にI Gusti Nyoman Lempadの作品は、その精緻な描写と独特のスタイルが印象的でした。
美術館内は静かで落ち着いた雰囲気が漂っており、雨音を背景にゆっくりと鑑賞する時間はとても贅沢でした。展示室を巡るたびに新しい発見があり、バリの芸術の豊かさに感動しました。
鑑賞の後は、美術館内のカフェで一休みしました。ここでは美味しいバリコーヒーを楽しむことができ、雨の日の静かなひとときを満喫しました。カフェの窓から見える美しい庭園も、雨に濡れて一層美しく感じられました。
美術館鑑賞を終えた後は、ウブドの中心地を少し散策しました。
雨の中でも楽しめるカフェやショップを訪れ、ゆっくりとした時間を過ごしました。
ウブドの街は、雨が降っていてもその魅力を失うことなく、訪れる人々に新しい発見を提供してくれます。