6年の間インドネシアを33回渡航し、政府関係者や国営企業と直接やりとりして、数え切れ合い失敗をしてきた経験も踏まえて、「一致団結」について話をします。
ここで今までの話をまとめると、海外進出しようと思ったら、次にするのは調査です。
ここで重要なのは「情報収集」であり、「情報収集の仕方」になります。
しっかりとした情報収集の結果、しっかり戦略を立て実行することです。
しかも、戦略実行を、スピード感を持ってできるだけ早く行なうこととなります。そのためには、海外事業に適した組織作りが必要になります。特に、日本本社と海外進出部との組織連携が大事となることを説明してきました。
しかし、実際情報収集から、組織つくりまでを失敗しないように実行していくのは簡単なことではありません。
また、実行できたとしても海外進出の成功が約束されているわけではありません。
では、なぜそこまでして海外進出をしなければならないのか?国内市場で十分では無いのか?それぞれ企業にとっては、置かれている状況や環境が違っているため、様々な答えがあると思います。
仕事を進める上で大切なのは、「一致団結」です。
チームワークでビジネスするだけでなく、志と情熱を共有して事業にあたるということです。
仕事では一人ひとりの活躍ももちろん重要ですが、個人の力にはおのずと限界があります。同じ志をもった仲間と協力・団結し、1+1=3の相乗効果を発揮していくことが大切です。
成功したらその喜びを仲間と分かち合い、失敗したらその痛みや反省をみんなで共有していこうとする意志が企業文化となっていくでしょう。
集団の力で打ち勝っていこう!
全員でリスクを背負う覚悟で挑もう!
長期的発展のために一番よい案を選択して実行していこう!
という考え方による団結が不可欠です。
一致団結して話し合ったその結果をカタチにして市場に提供していく、失敗のリスクは担当だけに背負わせず、組織全体で背追う体制を築くことが、海外進出という新しいチャレンジには必要です。
宇宙には地球に無い物質があり、見つかると科学が進歩する可能性がある、というようなことが書いてありました。
「どんな分野でも苦難困難に挑戦し続けることは人類を前進させることに繋がる」ということです。
ジェフ・ベゾスやイーロン・マスクなど、ビジネスの世界的成功者にとっては、宇宙への挑戦が一番の苦難困難なのだと思う。
その挑戦者は企業も人も同じで、それぞれ状況が違うので、それぞれの挑戦があって良いと思います。宇宙一でなくても、ある人にとっては、世界一、日本一を目指すのが一番の挑戦なのかもしれません。
また、順位がつかないものであっても、一生懸命苦難困難に立ち向かうことで、周りを勇気付け、新たな挑戦者を生み出し、正のスパイラルが生まれていくことに繋がります。
そしてそのスパイラルの一つ一つは、人類を前進させる小さな歯車になっていく。
そういう意味で、海外、特に発展途上国は、先進国では味わえない苦難困難がたくさん待ち受けていて、非常に挑戦しがいのある場所であると感じます。
海外進出、そして海外で成功するのは一筋縄では行かない。全社一丸となって戦う必要があります。
社長の鶴の一声で海外進出が決まったり、「海外の顧客やパートナーから進出依頼が来た」というケースで他人任せの進出になってしまうと、団結力も生まれず、成功までの熱量を高めるのは困難です。
進出すると決まったら、責任者を選任し、社長や担当役員から社内で説明し、本社からサポート体制をしっかり作ることができると、成功の可能性が上がるに違いありません。
海外で新しいビジネスモデルをチャレンジしていきませんか。