政府は11月1日より、海外への短期出張から帰国・再入国した日本人について、新型コロナウイルスの水際対策を一部緩和することを決めました。帰国後14日間の待機措置を条件付きで免除するようです。
菅首相からも、11月1日から海外へ短期出張した日本在住の方の帰国に際して、追加的な防疫措置を講じることを条件に、限定的な範囲内でビジネス活動することを可能とする発表があり、免除の条件として「新型コロナの陰性証明書のほか、帰国後に移動する場所などを記した行動計画書の提出も条件とする。移動は職場と自宅の往復に限られる。」とのことです。
具体的な条件として、訪問先などを記入した「活動計画書」の提出や、入国後14日間は公共交通機関を利用しないことを求めています。
私自身も10月17日にメキシコから帰国し、本日で2週間自宅待機の期間がちょうど終了します。
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現在、感染の疑いもなく特に2週間変わった様子もなく無事に過ごす事ができました。地元の保健所からは毎日健康状態の確認の電話があり、体調変化ありますかと聞いてくる徹底ぶりでした。
もちろん自主待機であるので、どこかに出かけようとはする事は可能ですが、地元に感染拡大させてはいけない事を最優先考えて、自宅から一歩も出ない事を実践してきました。
メキシコでは、原則的に入国後の2週間の待機は撤廃されています。入国時に空港でのPCR検査もありません。健康チェックの紙を渡すだけ誰でも入国できます。
感染拡大している都市部ではない、地方都市での滞在でしたが日本にいるより感染防止は進んでいると感じました。
まず、街に入る際、道路で検問があります。県外ナンバーの車は全て止められて、検温を実施します。
スーパーやレストランに入るのも入口に人が立っており、全ての入店者に検温を行います。店内には人数制限があり大きい店、小さい店でも、店に多くに人が同時に入らないよう工夫しています。スーパーでは入口身元確認と電話番号を記入する事も行われていました。
カフェでは、メニューがQRコードでスマホで読み取る形になっていて、なるべく、多くの人がさわらない工夫もしてあります。
多くの店が立ち並ぶモールでは、感染防止の立て札があり、ソーシャルディスタンスを守るよう入口を指定し、ベンチは間隔を開けており、一部の座席を使えないようにテープが貼られるなど、かなりの徹底ぶりでした。
逆に日本よりも、感染防止策は進んでいる感じで、安心して滞在する事ができましたし、市民にとってもなるべく平時の生活に近づけるよう努力していると感じました。
来月の帰国に際し、海外出張者の自宅等での待機免除の流れが一変し、短期出張者のみ免除されるという、いまいち合理性を欠いた政策ですが、規制緩和する前に、通常の生活において、個人も企業側も感染防止できる事をもっと徹底した形での運用にしてもらいたいと感じます。
少なくとも一人ひとりの心構えとして外出時はマスク着用や、アルコールを持参し、こまめに消毒を徹底し、ソーシャルディスタンスを守る。企業側は、全ての人に検温チェックと、消毒実施をする。換気を徹底して、机は離して座るなど、もっと自主的にできる事はあると感じます。
それができないのであれば、会社の出張なら、会社の責任で、待機同等の措置を取って、2週間は自宅待機を命じ、その間はリモートワークを推進するなどの配慮は必要です。
これからのコロナ感染予防は、政府からの対策だけでは防止できません。個人も企業もより自主的に感染しない方法を考え実践して、自分の身は自分で守る方法を取る必要があります。
日本のように民度が高ければ感染は拡大しませんし、不注意者が多ければ拡大します。
一人ひとりが注意すれば良いだけの事です。
短絡的に、日本政府による海外との入出国の緩和や帰国後待機を免除するのは経済を回す為でコロナ感染を拡大するとする意見も多いですが、自由主義国では行政が国民の生活を圧迫しないよう努力していると言うだけの事ではないでしょうか。