Categories: IndonesiaTravel

ワカトビ・ワンギワンギ島からの帰路!蒸し風呂のような船内での苦行

ワカトビ諸島での素晴らしい滞在もいよいよ最終日を迎えました。ワンギワンギ島での特別な体験や、地元の人々との交流を通じて学んだことは多く、心が満たされる充実した日々でした。しかし、旅の終わりには予想もしない出来事が待ち受けていました。予定していた帰りの船が急遽欠航し、急なスケジュール変更が必要に。蒸し暑い船内や予期せぬ移動が続く中、ワンギワンギ島からの帰路は、思いもよらない移動となりました。

急なスケジュール変更と慌ただしい朝

ワンギワンギ島で迎えた最終日。静かで落ち着いた朝を想像していたものの、予想外の出来事が待ち受けていました。もともとの予定では、8時発の船に乗るため、7時30分にホテルを出発すれば十分に間に合うというスケジュールでした。荷物を整理し、最後にもう一度島の美しい朝を感じながら、海を眺める朝食を楽しむつもりでいました。

しかし、その予定は突然の連絡で一変。なんと、船の出発が急遽7時30分に変更されたというのです。しかも、7時にはチェックアウトして桟橋へ向かう必要があるとのことで、朝食を楽しむどころか、急いで準備を整えてすぐに出発しなければなりませんでした。結局、海を見ながらのホテル朝食はキャンセルとなり、朝から慌ただしいスタートを切ることになりました。こうした突発的な変更にも、ワンギワンギ島らしい緩やかさを感じつつ、ホテルスタッフと軽くお別れをして、急いで桟橋へ向かいました。

ナトゥナエキスプレスとの出会い

桟橋に到着すると、目の前に比較的大きな船が停泊していました。その瞬間、少し安心しました。この大きな船なら、快適な旅ができるだろうと思ったのですが、その希望はすぐに打ち砕かれます。この船は、ワンギワンギ島から南東スラウェシ州の州都ケンダリへ向かう船であり、私たちが乗るべき船ではありませんでした。私たちの目的地であるブトン島・ラサリム港行きの船は、その隣に控えていた、小さく古びた「ナトゥナエキスプレス」という船でした。

ナトゥナエキスプレスは、高速船と聞いていましたが、その見た目は非常に古く、乗客でごった返していました。出発時間に間に合うかどうか不安が募る中、チケットは船内で購入できるとのことで、乗り込んでみることにしました。

船内は狭く、普通座席はすでに満員で、どこに座るか迷っていたところ、エクスクルーシブ席があるとのことで案内されました。

すでに多くの乗客が座っていて、普通座席にはエアコンが無いのですが、エクスクルーシブ席には家庭用エアコンがついているにもかかわらず、人数が多すぎてまったく涼しく感じません。まるで蒸し風呂のような状況に、一抹の不安が胸をよぎりました。

蒸し風呂状態の船内と船内食の苦行

乗船後も次々と乗客が増えていき、7時30分の出発予定時刻を過ぎても、まだ乗船者が集まってきます。結局、船が動き出したのは8時を過ぎてから。エアコンが全く効かない船内は、時間が経つにつれてさらに蒸し暑くなり、まるでサウナの中にいるような状況でした。出発後に船員が運賃を集めに来て、片道10万ルピアを支払いました。

朝食を食べ損ねたので船内で売っているカップ麺が唯一の救いでした。しかし、この蒸し暑い船内で熱いカップ麺を食べるのは、まさに逆効果。食べた後には体温がさらに上昇し、汗が噴き出すような状態に。これでは、暑さをしのぐどころか、自ら追い打ちをかけてしまったかのようでした。

船のスピードは時速28キロほどで、特別速いわけでもなく、ゆっくりと進んでいきます。出発前に聞いた話では1時間ほどで到着するとのことでしたが、乗客が多いせいかスピードが出ず、2時間近くかかりそうな状況でした。

甲板での一時的な涼とスリルの旅

船内の暑さに耐えかねて、船の甲板に出ることを決意しました。蒸し風呂状態の客室でじっとしているよりは、外に出て海風を浴びる方がまだ涼しいと考えたのです。甲板に出ると、確かに海風は心地よく、船内の蒸し暑さからは解放されました。しかし、空は晴れ渡り、太陽の日差しが強烈に照りつけています。太陽光が肌に刺さるような感覚があり、これはこれで過酷な環境でした。

それでも、風を感じながら広大な海を眺めると、少し気分が良くなり、穏やかな波の上を進む船の動きに少し安堵感を覚えました。周囲を見渡すと、手すりもありますが、少し古びた作りで、落ちたらどうなるのだろうという不安が頭をよぎります。

船の状態は少々不安定に感じられ、揺れは少ないものの、スリルを味わう旅となりました。それでも、甲板で過ごす時間は蒸し暑い客室にいるよりもはるかに快適で、しばしの涼を楽しむことができました。

ラサリム港到着!混雑の中ようやく陸に到達

結局、約1時間50分かけてラサリム港に到着しました。蒸し風呂のような船内から解放され、外の新鮮な空気を吸った瞬間、心からの安堵を感じました。港には、私たちと同様に到着を待っていた大勢の乗客や迎えの車が集まり、普段は静かなこの港も、この日は一転して混雑していました。

タクシーのチャーターをしていたドライバーとも無事に合流し、この瞬間、蒸し暑い船旅の疲れが一気に解け、心身ともにリフレッシュされました。

しかし、ここからまだバウバウ市内までの長い道のりが待っています。ラサリム港からバウバウ市内までは車で約2時間半かかります。車内の快適さに助けられながらも、この長い移動時間をどう過ごすかを考えながら、ようやく港を後にしました。今回の旅は、想定外の出来事が次々と起こりましたが、その中でも多くのことを学び、また島の生活や交通手段に対する理解が深まりました。ワンギワンギ島からの予想外の帰路で当初の予想をはるかに超える体験となりました。急なスケジュール変更、蒸し暑い船内、そして思いもよらぬ航路での移動と、次々に予期せぬ出来事が発生しましたが、それでも無事にブトン島の目的地に到着できたことに感謝の気持ちが湧き上がりました。ワカトビ諸島ならではのユニークな交通手段や、現地の人々との交流は忘れられない思い出を与えてくれました。

kenji kuzunuki

葛貫ケンジ@インドネシアの海で闘う社長🇮🇩 Kenndo Fisheries 代表🏢 インドネシア全国の魅力を発信🎥 タコなどの水産会社を経営中25年間サラリーマン人生から、インドネシアで起業してインドネシアライフを満喫しています。 インドネシア情報だけでなく、営業部門に長年いましたので、営業についてや、今プログラミングを勉強中ですので、皆さんのお役にたつ情報をお伝えします。